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昼想夜夢~君、想ふ~
第5章 BIRTH DAY
俺はいつからこんなふうになってしまったんだ?
彩花と再会した時はあんなに嬉しかったはずなのに、いつからこんなに、北条や彩花にイライラするようになったんだ?
別に…、人の幸せを妬ましく思う性格ではない。
この年になれば、北条達のような恋愛をしたいとも思わなくなった。
なのに、どうして俺の心はこんなに掻き乱されるんだ?
彩花にお兄ちゃんと呼ばれる度に、何故こんなにも…。
見上げた空は鈍色。
まるで俺の心みたいだ。
空はいつか晴れるだろうが、俺の心は晴れない。
この空のように淀んで、暗く、何もかもを飲み込みそうなほどに―――――。
手すりに背中もたれさせながら、ぼんやりと空を眺めていると
「あー、ここにいたんですか?小川さーーーんっ!!」
頭を空っぽにして空を見上げていたが、俺の自我をムリヤリ現実に引き戻した声。
…この声は…、今一番聞きたくない声…。
この声の主は…
「酷いッスよ、小川さん、俺を置いて行くなんてぇ」
「ほ、北条…」
電子タバコ片手に北条が俺の方へと走ってきた。
あー、そう言えば、こいつも喫煙者だったな。
電子タバコも紙タバコと同じ扱い。
こいつとは度々この屋上で一緒にタバコを吸った仲。
同じ喫煙者だからか俺は北条になつかれてる気がする。
「別に、いつも一緒に一服する仲じゃねぇだろう…」
「そうッスけど、何か最近冷たくないッスか?」
「はぁっ?そ、そんな事ねぇだろう…」
いや、北条の言う通り、俺は最近北条と彩花に対して過剰な反応をしてしまう。
北条って、妙なところで勘がいいからな。
彩花と再会した時はあんなに嬉しかったはずなのに、いつからこんなに、北条や彩花にイライラするようになったんだ?
別に…、人の幸せを妬ましく思う性格ではない。
この年になれば、北条達のような恋愛をしたいとも思わなくなった。
なのに、どうして俺の心はこんなに掻き乱されるんだ?
彩花にお兄ちゃんと呼ばれる度に、何故こんなにも…。
見上げた空は鈍色。
まるで俺の心みたいだ。
空はいつか晴れるだろうが、俺の心は晴れない。
この空のように淀んで、暗く、何もかもを飲み込みそうなほどに―――――。
手すりに背中もたれさせながら、ぼんやりと空を眺めていると
「あー、ここにいたんですか?小川さーーーんっ!!」
頭を空っぽにして空を見上げていたが、俺の自我をムリヤリ現実に引き戻した声。
…この声は…、今一番聞きたくない声…。
この声の主は…
「酷いッスよ、小川さん、俺を置いて行くなんてぇ」
「ほ、北条…」
電子タバコ片手に北条が俺の方へと走ってきた。
あー、そう言えば、こいつも喫煙者だったな。
電子タバコも紙タバコと同じ扱い。
こいつとは度々この屋上で一緒にタバコを吸った仲。
同じ喫煙者だからか俺は北条になつかれてる気がする。
「別に、いつも一緒に一服する仲じゃねぇだろう…」
「そうッスけど、何か最近冷たくないッスか?」
「はぁっ?そ、そんな事ねぇだろう…」
いや、北条の言う通り、俺は最近北条と彩花に対して過剰な反応をしてしまう。
北条って、妙なところで勘がいいからな。