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昼想夜夢~君、想ふ~
第5章 BIRTH DAY
俺の足元に腰を下ろし、電子タバコを蒸かしている。

こいつは、俺と彩花の事なんて微塵も疑ってないんだな。
俺を彩花の元へ向かわせたり、彩花へのプレゼントの相談をしたり。
俺と彩花じゃ年齢も違いすぎるし、浮気相手にもならないと思ってるんだろうな。

こいつも、俺と彩花の事を兄と妹みたいなもんだと思ってんのか?
足元にいる北条に視線を落としたが、北条は何も知らずに電子タバコを吸っている。
「雨降りそうッスね~」とか、他愛ない会話をしてくるが、俺の耳には届いて来ていない。


「あ、そうだ。俺、彩花へのプレゼント決めましたよ!」
「え?あぁ、誕生日プレゼントか…」

そう言えば、来週は彩花の誕生日だったな。
北条のやつ、最初はチョコレートをプレゼントするとか言ってたけど、ちゃんとしたものをプレゼントする気になったのか。

つーか、いきなり彩花の誕生日プレゼントの話をされて
俺の心の中を読まれたのかと思って一瞬ビビッた…。

「で、何をプレゼントするんだ?」
「はい。あいつ、髪の毛がキレイなんでヘアーアクセとかにしようかと…」

ヘアーアクセサリー…か。
確かに、彩花の髪の毛はキレイだ。
俺の手に触れた瞬間、俺の手の平をサラサラと零れて行くようで…。
キレイな髪の毛を持つ彩花にはぴったりのプレゼントだな。

「最近、いろんなヘアーアクセが出てるんで、ちょっと高価なやつにしようと思ってます」
「……いいんじゃねぇか」
「それに俺、あいつのあのサラサラの髪の毛、すっげぇ好きなんです」

何だかんだ言って、彩花の為にプレゼントを考える北条はどこか楽しそうに見えた。
悩むとか言いつつ、彩花の為に悩めるのは幸せな事だろうな。

羨ましい限りだよ…。

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