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アブノーマルごっこ
第23章 就活生と同好会
「とりあえずこのままでいきましょうよ」

「そうですね、まずはこのまま」

「あの…私…帰ります」
砂川さんの姿を探すけど、おじさんたちの壁しか見えない。

お酒を飲み慣れてないせいとかじゃない気がするし、これは異様な状況なんじゃないかな…働かない頭で一生懸命考える。

「まぁまぁ、そんな焦らずとも」

「なにか飲みますか?お水?」

「あっ…はい…お願いします…」

おじさんが持ってきてくれた水を飲む。グラスワインに注がれた生ぬるい水。
「ありがとうございます。」

おじさんたちがみんなで私のことを見てる…何とかしてもう帰りたい…私は身体を起こそうとした。

「まだもう少し横になってた方がいい」

「あの…でも…」

そんなことを言い合ってたとき、お腹がギュルルルって痛み出した。

「あのすみません…ト、トイレに…」

おじさんたちが顔を見合わせた。恥ずかしい…
手を差し伸べてもらってテーブルから降りると、ふらつく足でトイレに向かった。二人のおじさんが身体を支えてくれた。

音や匂いが聞こえてしまうんじゃないかって気になっちゃって、部屋に戻ってて貰えるようトイレの中からお願いしたんだけど、聞き入れてもらえなかった。

お腹の痛みが落ち着くまでトイレで過ごしていたら、少しずつ頭もスッキリしてきた。

(どうせこんなんじゃいい印象なんてないだろうし、もう帰ろ…)

トイレのドアを開けると、さっきのおじさんたちがまだそこにいた。
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