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アブノーマルごっこ
第23章 就活生と同好会
「大丈夫かい?」

「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。私そろそろ…」

さっきの部屋に戻るとおじさんたちが一斉にこっちを見た。
「よかったよかった、さぁここに」

「あの、でも、私…」

「いいからいいから」

「就活中って聞いたけど、どんな仕事を希望してるの?」

「え…っと…その…」
急に聞かれて、渡された名刺の会社名をバババッと思い出す。えっと、えっと…なんて言うのが正解なんだろう…頭をグルグル働かせる。

「その話はゆっくりしていきましょうよ。」

「そうそう。お腹下した時はこれでしょ?」

「ありがとうございます」
グラスに注いでくれたスポーツドリンクをゴクゴクゴクッと一気に飲み干した。確かに喉が乾いていたんだ。

「とりあえずここに座りましょう」

「そう緊張しないで、色々話しましょう」
広いリビングのソファに座るよう促され、大きなテーブルをぐるりと囲むようにみんなで座った。

「得意なことと苦手なことは?」

おじさんたちが冗談を言い合いながらも、私の話を聞こうとしてくれている。

「学生時代に、熱中したことはどんなこと?」

和やかな雰囲気の中だけど、ここから何かが始まるかもしれないと、就活ノートにまとめた内容を思い出そうとしていた。

おじさんたちに囲まれて緊張してるせいか、汗が止まらなくなってきた。

「もしかして、暑いですか?」

「いえ、大丈夫です…」
ハンカチは…バッグの中だ…

「これ使って」
おじさんの一人がハンカチを差し出してくれたのを断りながら、立ち上がろうとしたらクラッと目眩がした。
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