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アブノーマルごっこ
第26章 お医者さんと契約関係
レストランの中にもショーの音楽が流れてて、ワイン片手に特等席で見られる…そんな最高な気分をこいつはまたふざけたことを言う。

本当にムカつく。

店内の全員がショーに見とれている状態だから、なじることもできなくて、ワインをがぶ飲みする。

(こうなったら手酌だ!)
なみなみとグラスにワインを注ぐ。


ショーが終わってまた店内の明かりが戻ってきたので、やっとキモルに文句を言ってやれる。
「あんたさぁ」

「春乃様、明日は準夜でしたよね?」

「夜勤だけど?だから何?」
そうじゃなかったらこんなに飲めるかっつーの。

「僕、学会直行なんです。昼から。」

「そんなん、どーーーでもいい。それよりも…」

「今日ここに泊まって行きましょう」

「ここって?はぁ?」

「取れたんで、部屋。」

「泊まったことあります?」

「ないけど?」

「僕もです。1回泊まってみたくて。」

「ばかじゃない?帰るから、私。」

「そうですか…残念です。」
そう言うと私のグラスを勝手にとってゴクゴク飲んだ。

「はぁあ?あんた、車…」

「すみません…僕、泊まっていきます。よかったら春乃様もどうぞ。ベッドは二つあるんで。」


「怒ってます?」
無言で食事を済ませる私の顔をのぞき込む。ギロッと睨みかえすけど、全然効き目がない気がしてくる。

「もう部屋に行きますか?」

「行かない!帰る!」
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