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アブノーマルごっこ
第5章 先生とキャンディ
10分くらい走らせた先は、住宅街の中にポツンとある駐車場だった。

「…あのさ、こんな風になってから
 言うのはズルいと思うんだけど…」

拒絶されるような予感がして、ごまかすようについ茶化しちゃう。
「さすが大人だね、先生!
 出てくる言葉がいちいち大人だよ。」

「神崎。俺も好きだったよ、ずっと。」

「え?!」

「お前に追いかけ回されるのも
 本当は…嬉しかったし。」

「先生…ほんと?」

「若気の至りで俺に興味を持ってるんだって
 気の無いふりをしてきたけど。
 いつのまにか俺も好きになってたんだ。」

「とかいって、この魅力的な若い肉体を
 独り占めするために口からデマカセを…」

「逞しいなその妄想力…」

「とりあえずそれだけ言いたかっただけ。
 よし、家まで送るぞ。」

「明日も…指導室行っていい?」

「いいけど、飴はもう持ってくるなよ」

「1個だけ、持ってく」

すぐに意味を理解した先生は、眉間にシワを寄せて困ったような笑顔をした。
「かわいいなー」


家の近くで降ろされて、また明日ってバイバイする。
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