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最後の女
第3章 看護師、田宮
剃毛処置で、射精するところまで自分が及んでる、とは言えない。
しかし、もうそこまで来ていた。
陰嚢が縮こまり、中身を押し出そうとしているのが、見ないでもわかった。
彼女の左手の動きは同じ動作を続ける。
誠一は目をつむり、耐えた。
何度も続く。
そのとき陰嚢に何か温かいものが触れた。
慌てて目を開けた。
彼女の右手が股の間に差し込まれていた。
陰嚢が彼女の手でやんわりと揉まれたのだ。
なぜそんなことを……。
思う間もなく、左手がまたペニスの根元まで下ろされた。
そのときだった。
「はぅっ!」
誠一は小さく声を上げた。
それと同時に、先端から白い液がほとばしった。
その噴出は、10センチ以上も上がり、誠一の毛の無くなったへその辺りに落ちた。
彼女の手が止まった。
誠一はまだ耐えようとした。
彼女の手がもう一度上下した。
だめだった。
彼女に握られたペニスは、どくんどくんと脈動し、中のものを吐き出し始めた。
吐き出されたものが、何度も毛の無い下腹部に落ちる。
ああ、なんてことを……。
彼女を見た。
彼女は……。
彼女は無表情だった。
驚きも、恥ずかしさも見て取れなかった。
軽蔑も……。
唇を閉じ、大きな目でそれをじっと見つめていた。
左手で、脈打つペニスの根元を力強く握り、右手で、ペニスの先端にガーゼを押し当てていた。
ガーゼの裏側からは、まだ大量の粘液が溢れ出てくる。
それは下に垂れ、ペニスを握る彼女の指を伝い、乗り越え、根元に液溜まりを作った。
つんと、精液の臭いが鼻に届いた。
なんと声を掛ければよいのか、わからなかった。
ただ、なすがままでペニスと、彼女に指の上を流れ落ちる精液を見つめていた。
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