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続・独占欲に捕らわれて
第5章 策士愛に溺れる
「それで、チサちゃんの行きたいところ決まった?」
「決まったには決まったけど、やってるかしら?」
千聖は困り顔で紅玲を見上げる。
「どこに行きたいの?」
「プラネタリウムよ」
「ちょっと待ってて」
紅玲はスマホを出して調べ物をする。

「今から駅に行って、10分歩いたところにあるみたいだよ。次の上映時間は、オレ達がついて10分くらいしてからだから、少し余裕があるね。さっそく行こうか」
「そこまで調べられるなんて……」
「今の地図アプリは便利だからねぇ」
紅玲は千聖の手を握ると、駅に向かって歩き出した。千聖は紅玲の手を握り返し、彼に寄り添いながら歩く。駅に着くと、紅玲は戸惑うことなく改札を通ってホームへ行く。

「電車は2、3分で来るはずだよ」
「電子版も見てないのに、よく分かるわね」
千聖はちらりと電子版を見ながら言う。紅玲の言う通り、あと3分で電車が来ることになっている。
「チサちゃんと同棲する前は、色んなところに食べに行ってたからねぇ。大まかに覚えちゃった」
「本当に頭がいいのね……」
本人も以前地頭がいいと言っていたが、まさかここまでとは思ってもみなかった。

時間になると電車が来て、ふたりは乗車する。利用客は少なく、席がたくさん空いている。ふたりが座ると、電車は動き出した。
「1駅で降りるからね」
「結構近いのね」
てっきりもう少しかかると思っていた千聖は、少し拍子抜けした。

電車が駅に停車すると、少し寂れたホームに降り立つ。紅玲は地図アプリを起動させ、駅から出る。
「ところで、どうしてプラネタリウムに行きたいって思ったの?」
「最後にプラネタリウムを観たのって、小学5年生の時なんだけど、海洋生物の星座神話についてやってたのよ。内容はあまり覚えてなかったけど怖くて、それ以来観に行こうと思わなかったわ。怖かったけど、星がとても綺麗だったことも覚えてたのよ」
「あぁ、星座神話のイルカとか全然可愛くなかったからねぇ……。それに残酷な話も結構あるし、そのへんは小学生からしたら怖いかもね」
紅玲は納得したように頷いた。
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