この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
続・独占欲に捕らわれて
第3章 紅玲の取材旅行
「チサちゃんの好みはだいたい把握してきたからね。仕事がある日の朝は、ご飯がいいんでしょ?」
「そうよ、よく分かってるじゃない」
千聖は満足気に微笑むと、いただきますをして朝食を食べ始めた。
紅玲は珈琲を淹れると、マグカップを食卓に置きながら座る。鮭の塩焼きをひと口食べると、満足気に頷いた。
「うん、塩抜きして正解だった」
「塩抜きって?」
千聖は質問をすると、自分でも鮭の塩焼きを食べてみる。
「スーパーでバラ売りしてる鮭ってお店の人が塩を振ってるんだけど、夕方とか夜に買うと、塩が鮭に染み込みすぎてしょっぱかったりするんだよね。これは夜に買ったやつだから、塩水で塩抜きしたんだよ」
「へぇ、詳しいのね」
千聖は感心したように言う。
「まぁね。ところで今日はオレも朝早くから出かけるから、一緒に出るよ」
紅玲の言葉に千聖は目を輝かせる。
「本当に? 朝から一緒にいられるなんて嬉しいわ」
「……オレもだよ」
紅玲は別の言葉を飲み込むと、作り笑いをして答えた。
朝食を終えると、ふたりは食器を冷やして家を出た。
「朝からこうして手を繋いで歩けるって、幸せだなぁ。朝の散歩でも習慣にしようかな」
紅玲は繋いだ手に軽く力を入れながら言う。
「ふふっ、健康的でいいんじゃない?」
「何よりこうしてチサちゃんといる時間が長くなるしね」
「またそういうこと言う……」
千聖は頬を染めながらも、紅玲に寄りかかる。
「まんざらでもないくせに」
「照れるものは照れるのよ……」
紅玲にからかわれながら雑談していると、あっという間に千聖の会社に着いてしまった。
「残念だけど、仕事に行ってくるわ」
「うん、頑張ってね」
紅玲は千聖の頬にキスをする。会社に入ろうとしていた人達は、目を丸くしてふたりを見る。
「ちょっと……!」
「あっはは、じゃあね」
顔を赤くする千聖に手を振ると、紅玲はその場を後にした。
「そうよ、よく分かってるじゃない」
千聖は満足気に微笑むと、いただきますをして朝食を食べ始めた。
紅玲は珈琲を淹れると、マグカップを食卓に置きながら座る。鮭の塩焼きをひと口食べると、満足気に頷いた。
「うん、塩抜きして正解だった」
「塩抜きって?」
千聖は質問をすると、自分でも鮭の塩焼きを食べてみる。
「スーパーでバラ売りしてる鮭ってお店の人が塩を振ってるんだけど、夕方とか夜に買うと、塩が鮭に染み込みすぎてしょっぱかったりするんだよね。これは夜に買ったやつだから、塩水で塩抜きしたんだよ」
「へぇ、詳しいのね」
千聖は感心したように言う。
「まぁね。ところで今日はオレも朝早くから出かけるから、一緒に出るよ」
紅玲の言葉に千聖は目を輝かせる。
「本当に? 朝から一緒にいられるなんて嬉しいわ」
「……オレもだよ」
紅玲は別の言葉を飲み込むと、作り笑いをして答えた。
朝食を終えると、ふたりは食器を冷やして家を出た。
「朝からこうして手を繋いで歩けるって、幸せだなぁ。朝の散歩でも習慣にしようかな」
紅玲は繋いだ手に軽く力を入れながら言う。
「ふふっ、健康的でいいんじゃない?」
「何よりこうしてチサちゃんといる時間が長くなるしね」
「またそういうこと言う……」
千聖は頬を染めながらも、紅玲に寄りかかる。
「まんざらでもないくせに」
「照れるものは照れるのよ……」
紅玲にからかわれながら雑談していると、あっという間に千聖の会社に着いてしまった。
「残念だけど、仕事に行ってくるわ」
「うん、頑張ってね」
紅玲は千聖の頬にキスをする。会社に入ろうとしていた人達は、目を丸くしてふたりを見る。
「ちょっと……!」
「あっはは、じゃあね」
顔を赤くする千聖に手を振ると、紅玲はその場を後にした。