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続・独占欲に捕らわれて
第3章 紅玲の取材旅行
『それならよかったわ。最近、時々思いつめたような顔をしてたから、心配だったの』
「……気づいてたの」
うまく隠せていたと思っていた紅玲は、驚きのあまり返事が遅れる。
『恋人なんだから、当然でしょ? お手洗いに行くから、そろそろ切るわね。新しいシナリオ、楽しみにしてるわ』
「うん、期待してていいよ。それじゃあ、またね」
電話を切ると、紅玲は軽い足取りで帰路を辿る。
「バレてたのはちょっと悔しいけど、気づいてくれたのは嬉しいね」
そう呟くと、口角を上げた。
一方千聖はというと、電話を切ってからお手洗いに行った。スカートをたくしあげて黒タイツを下げると、赤いまだら模様の太ももが目に入る。
「もう、なに考えてんのよ……」
頬を染めながら言うと、洋式トイレに腰掛けた。
昼休みになると、後輩達と一緒にランチを食べる。彼女達は食堂で買って食べるが、千聖だけは紅玲の手作り弁当だ。
「綾瀬先輩、また彼氏さんのお弁当ですか」
後輩の瑞希はカツカレーを持ってきながら、羨ましそうに千聖の弁当を覗き込む。
「少し前まではここのパスタが1番だって言ってたのに……」
「まさか綾瀬先輩に彼氏が出来るなんて、夢にも思いませんでしたよ。しかも超イケメン!」
千春と美幸も、それぞれ昼食を持ってきた。
「なんで美幸が綾瀬先輩の彼氏知ってんのよ?」
「だって今朝、キスしてましたし。会社前で」
美幸の言葉に、3人はむせ返る。
「み、見てたの……?」
「バッチリ!」
恐る恐る言う千聖に、美幸は親指を立てて頷いた。
「見たかったなぁ……」
「おアツいことで」
羨む瑞希と冷やかす千春に、千聖は頭を抱える。
「あーもう、冷やかさないでちょうだい……。あれは、私も予想外だったんだから……」
「で、綾瀬先輩の彼氏さんってどんな人なんですか? 写真見せてくださいよ」
瑞希は目を輝かせながら、身を乗り出す。
「やめておくわ。好きな物は独り占めしたいの」
千聖が片目を閉じながら言うと、3人の後輩達ははしゃぎ出した。
(惚気けるのも、悪くないものね)
自分の恋人についてあれこれ想像を膨らませる3人を見ながら、千聖は静かに口角を上げた。
「……気づいてたの」
うまく隠せていたと思っていた紅玲は、驚きのあまり返事が遅れる。
『恋人なんだから、当然でしょ? お手洗いに行くから、そろそろ切るわね。新しいシナリオ、楽しみにしてるわ』
「うん、期待してていいよ。それじゃあ、またね」
電話を切ると、紅玲は軽い足取りで帰路を辿る。
「バレてたのはちょっと悔しいけど、気づいてくれたのは嬉しいね」
そう呟くと、口角を上げた。
一方千聖はというと、電話を切ってからお手洗いに行った。スカートをたくしあげて黒タイツを下げると、赤いまだら模様の太ももが目に入る。
「もう、なに考えてんのよ……」
頬を染めながら言うと、洋式トイレに腰掛けた。
昼休みになると、後輩達と一緒にランチを食べる。彼女達は食堂で買って食べるが、千聖だけは紅玲の手作り弁当だ。
「綾瀬先輩、また彼氏さんのお弁当ですか」
後輩の瑞希はカツカレーを持ってきながら、羨ましそうに千聖の弁当を覗き込む。
「少し前まではここのパスタが1番だって言ってたのに……」
「まさか綾瀬先輩に彼氏が出来るなんて、夢にも思いませんでしたよ。しかも超イケメン!」
千春と美幸も、それぞれ昼食を持ってきた。
「なんで美幸が綾瀬先輩の彼氏知ってんのよ?」
「だって今朝、キスしてましたし。会社前で」
美幸の言葉に、3人はむせ返る。
「み、見てたの……?」
「バッチリ!」
恐る恐る言う千聖に、美幸は親指を立てて頷いた。
「見たかったなぁ……」
「おアツいことで」
羨む瑞希と冷やかす千春に、千聖は頭を抱える。
「あーもう、冷やかさないでちょうだい……。あれは、私も予想外だったんだから……」
「で、綾瀬先輩の彼氏さんってどんな人なんですか? 写真見せてくださいよ」
瑞希は目を輝かせながら、身を乗り出す。
「やめておくわ。好きな物は独り占めしたいの」
千聖が片目を閉じながら言うと、3人の後輩達ははしゃぎ出した。
(惚気けるのも、悪くないものね)
自分の恋人についてあれこれ想像を膨らませる3人を見ながら、千聖は静かに口角を上げた。