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続・独占欲に捕らわれて
第3章 紅玲の取材旅行

「それでトーマは、オレの話をしながら冷奴を食べていたんだ?」
「そうよ」
千聖が笑うとちょうど冷奴が運ばれてきて、千聖はうつむいて肩を震わせる。
「チサちゃんって変なところで笑うよねぇ」
冷奴をつつきながら、紅玲は苦笑する。
「そうかしら?」
「冷奴でこんなに笑う人、そうはいないよ」
「今時の若者が冷奴って、なんだかミスマッチなんだもの」
紅玲は小さく唸って考え込むと、納得したように頷いた。
「まぁ確かに、あんまり若い人のイメージはないかも」
紅玲が言い終わるとちょうど店員が来て、日本酒とウーロン茶、ごはんを持ってきた。
「そういえば夕飯食べに来たんだっけ」
千聖は思い出したように言う。
「一応そういうことになるけど、好きなように飲み食いしたらいいんじゃない?」
「そうね、そうさせてもらうわ」
とっくりを持つと、紅玲に取り上げられてしまった。
「手酌なんて味気ないことさせないよ」
「あら、ありがとう」
千聖がお猪口を差し出すと、紅玲がギリギリまで注いでくれる。千聖はそれを一気に飲み干した。
「日本酒ってチビチビ呑むものだって聞いたんだけど」
「1杯目は景気よく行きたいじゃない?」
にっこり笑いながらお猪口を差し出し、おかわりを催促する。
「呑みすぎないようにね」
紅玲は釘を刺しながら、日本酒を注いだ。
「お酒には強いから大丈夫よ」
千聖がひと口飲んだところで、焼き鳥の盛り合わせが運ばれてくる。千聖は塩味のももを食べて、頬を緩ませる。
「うんうん、お酒にはやっぱり塩気のきいたおつまみよねぇ」
「ちょっとしょっぱいから、ごはんにもよく合うよ」
紅玲は箸で器用に串から焼き鳥を外すと、ごはんと一緒に食べる。
ふたりは互いの仕事の話や、他愛のない話をしながら食事や酒を楽しむ。
「いきなりだけどさ、オレ明日から取材旅行に行こうと思ってるんだ」
紅玲が突拍子のないことを言い出したのは、焼き鳥の盛り合わせが半分以上減った頃。千聖はまじまじと紅玲を見つめる。
「そうよ」
千聖が笑うとちょうど冷奴が運ばれてきて、千聖はうつむいて肩を震わせる。
「チサちゃんって変なところで笑うよねぇ」
冷奴をつつきながら、紅玲は苦笑する。
「そうかしら?」
「冷奴でこんなに笑う人、そうはいないよ」
「今時の若者が冷奴って、なんだかミスマッチなんだもの」
紅玲は小さく唸って考え込むと、納得したように頷いた。
「まぁ確かに、あんまり若い人のイメージはないかも」
紅玲が言い終わるとちょうど店員が来て、日本酒とウーロン茶、ごはんを持ってきた。
「そういえば夕飯食べに来たんだっけ」
千聖は思い出したように言う。
「一応そういうことになるけど、好きなように飲み食いしたらいいんじゃない?」
「そうね、そうさせてもらうわ」
とっくりを持つと、紅玲に取り上げられてしまった。
「手酌なんて味気ないことさせないよ」
「あら、ありがとう」
千聖がお猪口を差し出すと、紅玲がギリギリまで注いでくれる。千聖はそれを一気に飲み干した。
「日本酒ってチビチビ呑むものだって聞いたんだけど」
「1杯目は景気よく行きたいじゃない?」
にっこり笑いながらお猪口を差し出し、おかわりを催促する。
「呑みすぎないようにね」
紅玲は釘を刺しながら、日本酒を注いだ。
「お酒には強いから大丈夫よ」
千聖がひと口飲んだところで、焼き鳥の盛り合わせが運ばれてくる。千聖は塩味のももを食べて、頬を緩ませる。
「うんうん、お酒にはやっぱり塩気のきいたおつまみよねぇ」
「ちょっとしょっぱいから、ごはんにもよく合うよ」
紅玲は箸で器用に串から焼き鳥を外すと、ごはんと一緒に食べる。
ふたりは互いの仕事の話や、他愛のない話をしながら食事や酒を楽しむ。
「いきなりだけどさ、オレ明日から取材旅行に行こうと思ってるんだ」
紅玲が突拍子のないことを言い出したのは、焼き鳥の盛り合わせが半分以上減った頃。千聖はまじまじと紅玲を見つめる。

