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続・独占欲に捕らわれて
第1章 穏やかな朝
「そんなこと覚えててくれてたんだ? 嬉しいなぁ」
「どうしてあの時、料理は苦手だなんて嘘ついたの?」
紅玲はゆっくり首を横に振る。
「別に、嘘ついてたわけじゃないよ。どんなに美味しいもの作っても父さんは褒めてくれなかったし、オレひとりで食べるのに作るのも、なんか嫌だったんだよね。技術的な問題じゃなくて、感情的な問題で苦手だった。って言えば、なんとなくは分かる?」
「そう、だったのね……」
紅玲の家庭事情を知ってる千聖は、返す言葉に困って、複雑そうな顔をする。

「そんな顔しないで。今はチサちゃんが美味しそうに食べてくれるから、結構楽しいよ」
「それならよかった。私、紅玲が作る料理好きよ」
「料理だけ?」
紅玲は拗ねたように唇を尖らせる。

「料理もふくめて、紅玲が好き」
千聖が苦笑しながら言い直すと、紅玲は満足気に笑った。ふたりは今日はどう過ごすか話し合いながら、朝食を済ませた。朝食が終わると、ふたりは並んで洗い物をする。

「チサちゃんには、あんまり水仕事させたくないんだけどなぁ」
「何言ってんのよ。朝食用意してもらったんだし、これくらいさせて。そもそも、私が仕事の日はあんまり家事できてないし……」
会社勤めの千聖がやる平日の仕事と言えば、朝のゴミ出しと夕飯の皿洗いくらいだ。本当は洗濯物と風呂掃除もしたいのだが、夕飯が終わると紅玲は千聖を抱えて寝室に行くため、同棲してから風呂掃除をしたことがない。

「チサちゃんは外で頑張ってるんだから、それくらいオレがやるのは当然だよ」
「紅玲だって、在宅ワーク大変じゃないの?」
「ずっとパソコンにかじりついてるから、躯動かすのに丁度いいの。だから気にしないで。はい、これが最後」
紅玲は洗ったマグカップを千聖に渡し、千聖は泡を落として水切りかごに入れた。

千聖が手を拭くと、先に手を拭き終えた紅玲が彼女の手を握る。
「お手伝いありがと。ちゃんとケアしようね」
紅玲はハンドクリームを、千聖の手に塗り込む。
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