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続・独占欲に捕らわれて
第1章 穏やかな朝
「ここまですることないと思うけど?」
「ダーメ。せっかくの綺麗な手なんだから、ちゃんとお手入れしないと。なにより、オレが大事にしたいからさ」
そう言って紅玲は、ハンドクリームを塗り終えた千聖の手の甲に、キスを落とした。
(やることがいちいち大げさというか、キザというか……)
千聖は内心苦笑しながら、紅玲の手からハンドクリームを取った。
「チサちゃん?」
「私も紅玲が大事だから、塗ってあげるわ」
千聖は骨ばった紅玲の手に、丁寧にハンドクリームを塗り込む。
「ありがとう、チサちゃん」
「どういたしまして」
ハンドクリームを塗り終えると、紅玲に返した。
「さて、パパっとやることやっちゃいましょうか」
「そうだね」
千聖は干してある洗濯物を取り込むと、別の洗濯物を干した。紅玲は風呂掃除をする。湯船だけでなく、タイルや風呂桶まで丁寧に洗っていく。
千聖が洗濯物をたたんでいると、違う服に着替えた紅玲がリビングに来た。
「こっちは終わったよ」
「お疲れ様。こっちももう少しで終わるわ」
千聖は手を休めることなく返事する。
「それじゃあ、なにか飲み物でも用意しとこっか。何がいい?」
「そうね、紅茶がいいわ」
「オーケー、紅茶ね」
紅玲は台所へ姿を消した。
「ふぅ、これで全部ね」
洗濯物をたたみ終えた千聖は、ソファに座った。ちょうどいいタイミングで、紅玲が戻ってくる。
「はい、チサちゃんもお疲れ様」
紅玲はテーブルの上にふたり分の紅茶と、洋菓子がたくさん入った菓子受けを置いた。
「ありがとう」
千聖は紅茶をひと口飲むと、隣に座った紅玲に寄りかかる。
「チサちゃんとこうして過ごせるなんて、幸せだなぁ。毎日こうだったらいいのに」
「仕事があるから無理よ」
千聖が困ったように笑うと、紅玲は一瞬だけむくれた。
「オレが養ってあげるのに」
「前にも言ったけど、まだ仕事を続けてたいの」
「分かってる」
紅玲は自分に言い聞かせるように言うと、気持ちを切り替えるために短く息を吐いた。
「ダーメ。せっかくの綺麗な手なんだから、ちゃんとお手入れしないと。なにより、オレが大事にしたいからさ」
そう言って紅玲は、ハンドクリームを塗り終えた千聖の手の甲に、キスを落とした。
(やることがいちいち大げさというか、キザというか……)
千聖は内心苦笑しながら、紅玲の手からハンドクリームを取った。
「チサちゃん?」
「私も紅玲が大事だから、塗ってあげるわ」
千聖は骨ばった紅玲の手に、丁寧にハンドクリームを塗り込む。
「ありがとう、チサちゃん」
「どういたしまして」
ハンドクリームを塗り終えると、紅玲に返した。
「さて、パパっとやることやっちゃいましょうか」
「そうだね」
千聖は干してある洗濯物を取り込むと、別の洗濯物を干した。紅玲は風呂掃除をする。湯船だけでなく、タイルや風呂桶まで丁寧に洗っていく。
千聖が洗濯物をたたんでいると、違う服に着替えた紅玲がリビングに来た。
「こっちは終わったよ」
「お疲れ様。こっちももう少しで終わるわ」
千聖は手を休めることなく返事する。
「それじゃあ、なにか飲み物でも用意しとこっか。何がいい?」
「そうね、紅茶がいいわ」
「オーケー、紅茶ね」
紅玲は台所へ姿を消した。
「ふぅ、これで全部ね」
洗濯物をたたみ終えた千聖は、ソファに座った。ちょうどいいタイミングで、紅玲が戻ってくる。
「はい、チサちゃんもお疲れ様」
紅玲はテーブルの上にふたり分の紅茶と、洋菓子がたくさん入った菓子受けを置いた。
「ありがとう」
千聖は紅茶をひと口飲むと、隣に座った紅玲に寄りかかる。
「チサちゃんとこうして過ごせるなんて、幸せだなぁ。毎日こうだったらいいのに」
「仕事があるから無理よ」
千聖が困ったように笑うと、紅玲は一瞬だけむくれた。
「オレが養ってあげるのに」
「前にも言ったけど、まだ仕事を続けてたいの」
「分かってる」
紅玲は自分に言い聞かせるように言うと、気持ちを切り替えるために短く息を吐いた。