この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
続・独占欲に捕らわれて
第1章 穏やかな朝
「ここまですることないと思うけど?」
「ダーメ。せっかくの綺麗な手なんだから、ちゃんとお手入れしないと。なにより、オレが大事にしたいからさ」
そう言って紅玲は、ハンドクリームを塗り終えた千聖の手の甲に、キスを落とした。
(やることがいちいち大げさというか、キザというか……)
千聖は内心苦笑しながら、紅玲の手からハンドクリームを取った。

「チサちゃん?」
「私も紅玲が大事だから、塗ってあげるわ」
千聖は骨ばった紅玲の手に、丁寧にハンドクリームを塗り込む。
「ありがとう、チサちゃん」
「どういたしまして」
ハンドクリームを塗り終えると、紅玲に返した。

「さて、パパっとやることやっちゃいましょうか」
「そうだね」
千聖は干してある洗濯物を取り込むと、別の洗濯物を干した。紅玲は風呂掃除をする。湯船だけでなく、タイルや風呂桶まで丁寧に洗っていく。

千聖が洗濯物をたたんでいると、違う服に着替えた紅玲がリビングに来た。
「こっちは終わったよ」
「お疲れ様。こっちももう少しで終わるわ」
千聖は手を休めることなく返事する。
「それじゃあ、なにか飲み物でも用意しとこっか。何がいい?」
「そうね、紅茶がいいわ」
「オーケー、紅茶ね」
紅玲は台所へ姿を消した。

「ふぅ、これで全部ね」
洗濯物をたたみ終えた千聖は、ソファに座った。ちょうどいいタイミングで、紅玲が戻ってくる。
「はい、チサちゃんもお疲れ様」
紅玲はテーブルの上にふたり分の紅茶と、洋菓子がたくさん入った菓子受けを置いた。

「ありがとう」
千聖は紅茶をひと口飲むと、隣に座った紅玲に寄りかかる。
「チサちゃんとこうして過ごせるなんて、幸せだなぁ。毎日こうだったらいいのに」
「仕事があるから無理よ」
千聖が困ったように笑うと、紅玲は一瞬だけむくれた。
「オレが養ってあげるのに」
「前にも言ったけど、まだ仕事を続けてたいの」
「分かってる」
紅玲は自分に言い聞かせるように言うと、気持ちを切り替えるために短く息を吐いた。
/109ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ