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続・独占欲に捕らわれて
第3章 紅玲の取材旅行

「そもそもこれは、なんの鍵なの?」
「オレの書斎の鍵だよ。ここには大事なものがたくさんあるし、書斎をいじられるのは好きじゃないから、チサちゃんにも入って欲しくないんだ」
紅玲はどこか申し訳なさそうな顔をしながら言う。
「そう……。分かったわ、この部屋には入らない」
「ありがとう、チサちゃん。チサちゃんなら約束してくれると思った」
紅玲は嬉しそうに言うと、再び食事を始めた。
朝食も終わり、千聖の出勤時間になる。
「私はそろそろ行くわね。気をつけて」
「うん、チサちゃんも気をつけてね。いってらっしゃい」
紅玲は千聖を抱きしめて、触れるだけのキスをする。千聖は後ろ髪を引かれる思いで、出勤した。
会社に来ると、千聖の気持ちは自然と引き締まる。少し前までは仕事に集中出来るか心配だったが、仕事に打ち込むことができた。
10時になると、千聖はすぐに紅玲に電話をかける。紅玲はワンコールで出てくれた。
『もしもし、チサちゃん。お疲れ』
のんびりした紅玲の声を聞いて、ホッとする。
「お疲れ様、紅玲。今は荷物をまとめてる最中かしら?」
『そうだよ。もう少しで詰め終わるかなぁ』
「そう、新幹線乗り間違えないでね」
“寂しい”という言葉を飲み込み、茶化してみせる。
『あっはは、トーマが一緒だから、大丈夫だよ。トーマが予定より早く来るみたいだから、急いで詰めないと。またね』
「え? えぇ、気をつけて」
千聖が言い終わるか否かのタイミングで、電話は切られてしまった。
「もう、何よ……。人が心配してるのに……」
「彼氏さんと喧嘩ですか?」
「きゃあっ!?」
瑞希にいきなり声をかけられ、千聖は思わず大声を出してしまった。
「驚きすぎですよ」
瑞希は悪びれる様子もなく、ヘラヘラ笑う。
「いきなりだからびっくりしたのよ……」
千聖はバツが悪そうに、目をそらす。
「それはすいません。それで、喧嘩の原因はなんですか? 洗濯物のたたみ方? それとも調理器具を洗うタイミングですか?」
瑞希が考えつく喧嘩の原因が面白くて、千聖は吹き出す。
「オレの書斎の鍵だよ。ここには大事なものがたくさんあるし、書斎をいじられるのは好きじゃないから、チサちゃんにも入って欲しくないんだ」
紅玲はどこか申し訳なさそうな顔をしながら言う。
「そう……。分かったわ、この部屋には入らない」
「ありがとう、チサちゃん。チサちゃんなら約束してくれると思った」
紅玲は嬉しそうに言うと、再び食事を始めた。
朝食も終わり、千聖の出勤時間になる。
「私はそろそろ行くわね。気をつけて」
「うん、チサちゃんも気をつけてね。いってらっしゃい」
紅玲は千聖を抱きしめて、触れるだけのキスをする。千聖は後ろ髪を引かれる思いで、出勤した。
会社に来ると、千聖の気持ちは自然と引き締まる。少し前までは仕事に集中出来るか心配だったが、仕事に打ち込むことができた。
10時になると、千聖はすぐに紅玲に電話をかける。紅玲はワンコールで出てくれた。
『もしもし、チサちゃん。お疲れ』
のんびりした紅玲の声を聞いて、ホッとする。
「お疲れ様、紅玲。今は荷物をまとめてる最中かしら?」
『そうだよ。もう少しで詰め終わるかなぁ』
「そう、新幹線乗り間違えないでね」
“寂しい”という言葉を飲み込み、茶化してみせる。
『あっはは、トーマが一緒だから、大丈夫だよ。トーマが予定より早く来るみたいだから、急いで詰めないと。またね』
「え? えぇ、気をつけて」
千聖が言い終わるか否かのタイミングで、電話は切られてしまった。
「もう、何よ……。人が心配してるのに……」
「彼氏さんと喧嘩ですか?」
「きゃあっ!?」
瑞希にいきなり声をかけられ、千聖は思わず大声を出してしまった。
「驚きすぎですよ」
瑞希は悪びれる様子もなく、ヘラヘラ笑う。
「いきなりだからびっくりしたのよ……」
千聖はバツが悪そうに、目をそらす。
「それはすいません。それで、喧嘩の原因はなんですか? 洗濯物のたたみ方? それとも調理器具を洗うタイミングですか?」
瑞希が考えつく喧嘩の原因が面白くて、千聖は吹き出す。

