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続・独占欲に捕らわれて
第3章 紅玲の取材旅行

「えぇ、綾瀬先輩そんな完璧な彼氏、どこで拾ってきたんですか!?」
美幸は身を乗り出しながら聞く。
「拾ってきたって……。無理やり連れてこられた合コンで知り合ったの。最初は正直苦手だったんだけどね……」
「苦手だったのに、どうして付き合ったんですか?」
質問してくる彼女達の目が刺々しいものに変わっていくのを感じながら、千聖はどう返答するか考える。
「そうねぇ、私にハイボール一気飲みに勝てたら教えてあげてもいいわよ? ハンデとして、私は濃いめに作ってもらうわ」
どう? と千聖が笑顔で言うと、3人は首を横に振った。
「あら残念」
千聖は店員を呼び止めると、ウイスキーをロックで注文した。
千聖が一気飲みの勝負をしかけてから愚痴大会や恋バナは終わり、当たり障りのない話題になる。居心地の悪さに耐えかね、30分もしないうちに、千聖はこの場から抜け出すことにした。
「なんだか眠くなっちゃったから、そろそろ帰るわね。お代、ここに置いておくから」
笑顔を崩さないように意識しながら、千聖はテーブルの真ん中に2万円置いた。
「こんなに飲み代出してもらうわけにはいきませんよ」
瑞希は慌てて1万円返そうとする。
「いいの、気にしないで。それじゃあおつかれ」
「……お疲れ様です」
「まだ明日」
「ご馳走様です」
千聖が笑顔のまま片手を上げると、3人は頭を下げながら言う。
居酒屋から出ると、千聖は大きなため息をついた。
「あぁ、すっかり忘れてたわ……。女の腹黒さ……」
紅玲という恋人が出来てから、千聖は惚気話を親友の優奈以外にしてこなかった。というのも、学生の頃から女の嫉妬深さの被害に何度も遭い、痛い目を見てきているからだ。今は落ち着いてきているとはいえ、優奈もかつては嫉妬深い女のひとりだった。
「呑み直そうかしら……」
千聖は優奈を呼び出そうと、スマホを取り出す。電源ボタンを押して画面を明るくすると、紅玲から不在着信が何件も入っていたことに気づいた。
「マナーモードにしたままだった……」
仕事中はサイレントマナーにしている。千聖はサイレントマナーを解除すると、イヤホンをつけてから紅玲に電話をかけた。
美幸は身を乗り出しながら聞く。
「拾ってきたって……。無理やり連れてこられた合コンで知り合ったの。最初は正直苦手だったんだけどね……」
「苦手だったのに、どうして付き合ったんですか?」
質問してくる彼女達の目が刺々しいものに変わっていくのを感じながら、千聖はどう返答するか考える。
「そうねぇ、私にハイボール一気飲みに勝てたら教えてあげてもいいわよ? ハンデとして、私は濃いめに作ってもらうわ」
どう? と千聖が笑顔で言うと、3人は首を横に振った。
「あら残念」
千聖は店員を呼び止めると、ウイスキーをロックで注文した。
千聖が一気飲みの勝負をしかけてから愚痴大会や恋バナは終わり、当たり障りのない話題になる。居心地の悪さに耐えかね、30分もしないうちに、千聖はこの場から抜け出すことにした。
「なんだか眠くなっちゃったから、そろそろ帰るわね。お代、ここに置いておくから」
笑顔を崩さないように意識しながら、千聖はテーブルの真ん中に2万円置いた。
「こんなに飲み代出してもらうわけにはいきませんよ」
瑞希は慌てて1万円返そうとする。
「いいの、気にしないで。それじゃあおつかれ」
「……お疲れ様です」
「まだ明日」
「ご馳走様です」
千聖が笑顔のまま片手を上げると、3人は頭を下げながら言う。
居酒屋から出ると、千聖は大きなため息をついた。
「あぁ、すっかり忘れてたわ……。女の腹黒さ……」
紅玲という恋人が出来てから、千聖は惚気話を親友の優奈以外にしてこなかった。というのも、学生の頃から女の嫉妬深さの被害に何度も遭い、痛い目を見てきているからだ。今は落ち着いてきているとはいえ、優奈もかつては嫉妬深い女のひとりだった。
「呑み直そうかしら……」
千聖は優奈を呼び出そうと、スマホを取り出す。電源ボタンを押して画面を明るくすると、紅玲から不在着信が何件も入っていたことに気づいた。
「マナーモードにしたままだった……」
仕事中はサイレントマナーにしている。千聖はサイレントマナーを解除すると、イヤホンをつけてから紅玲に電話をかけた。

