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続・独占欲に捕らわれて
第3章 紅玲の取材旅行
紅玲はワンコールで出てくれた。
『出ないから心配したよ』
少し不機嫌そうな声が、耳に届く。
「ごめんなさい……。マナーモードにしたまま、後輩達と呑みに行っちゃったの……」
『チサちゃんなら大丈夫だと思うけど、そこに男はいないよね?』
疑いとも取れる言葉に、胸を締め付けられる。

「当たり前じゃない。いつも一緒にランチ食べてる子達よ。……あなたの話になって聞かれたことを話したら、なんだか嫉妬されちゃって……。居心地悪いから逃げてきちゃったけど」
付け足すように言うと、紅玲は小さく笑う。
『それはお疲れ様。で、夕飯はちゃんと食べられたの?』
「いいえ、まだだけど……」
恋人というより保護者のようだと思いながら、千聖は返事をする。

『言い忘れてたけど、冷凍庫にちょっと作り置きしてあるから。解凍して調理して食べてね』
紅玲の気遣いに、目頭が熱くなる。
「ありがとう、すごく助かるわ。取材の方はどう?」
『なかなか順調でさぁ、傑作が書けそうだよ。書き終わったら、読んでくれる?』
子供っぽい言い方が愛おしくて、笑いそうになるのをこらえる。
「もちろんよ、楽しみにしてるわ」
『よかった。オレもそろそろごはん行くから、またね。愛してるよ』
「もう……。私も愛してるわ」
千聖は照れながらも愛の言葉を返すと、電話を切った。そして予定通り優奈に電話をかける。

『千聖ぉ! 私もう死んじゃう!』
間髪入れずに出たかと思えば、優奈は泣き叫んだ。千聖は思わず耳からイヤホンを外した。
「……どうしたのよ?」
意を決して再びイヤホンをつけると、優奈が求めているであろう言葉を投げかける。
『かずくんに振られたのぉ!』
(かずくん? ……確か、紅玲と知り合った合コンにいた年下の子だっけ? 優奈にしては、長く続いた方ね……)
泣きわめく優奈をよそに、千聖は冷静に考えこむ。

『ねぇちょっと聞いてる!?』
何かをドンドン叩く音と共に、優奈のヒステリックな声が聞こえてくる。
「聞いてるわよ。とりあえずそっちに行くから、どこにいるのか教えてもらえる?」
『シーザーサラダが美味しい居酒屋さん』
「……分かったわ、今行く」
千聖は優奈の返事を待たずに電話を切った。
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