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続・独占欲に捕らわれて
第3章 紅玲の取材旅行
「もう、下手ね……。やってあげるから、これ持ってて」
優奈の適当さに見かねた千聖は、彼女に自分が買ったものを持たせる。
「えへへ、ありがと」
「……どういたしまして」
千聖は嫌味ったらしく言うと、慣れた手つきで袋詰めを終わらせる。
「さ、行きましょ」
「うん!」
大きく頷きながら千聖の腕に抱きつく優奈は、満面の笑顔だ。ふたりはラブホテルに入ると、テーブルの上に酒とお菓子を並べていく。
「……で、どうすんの?」
千聖が声をかけると、優奈は泣き出した。
(忙しい子ね……)
「わた、私だってね、本当はね、しゅっとしてて年上で、王子様みたいな人が好きなのぉ! でも、かずくんは特別だってっていうか……。なのに、酷い!」
いつものことながら、話のまとまりの無さに、千聖は頭を抱える。
「でも、最初は順調だったんでしょ?」
「そう! 最近までは普通にラブラブだったんだから! なのに、1ヶ月くらい前から距離置かれちゃって……」
優奈は涙ながらに経緯を話していく。優奈が失恋した時は、別れた経緯と彼との思い出話を聞きながら肯定していくに限る。慰めや否定の言葉でもかけようものなら、彼女は喚き散らしながら、近くに置いてあるものを手当り次第に壊してしまう。
優奈は缶チューハイや甘いお菓子を口に運びながら、何度も同じ話を繰り返す。千聖は内心うんざりしながら、相槌をうっていく。
「優奈、そろそろお茶飲もう? 脱水症状になったら大変だから」
「うん、ありがと……」
優奈は鼻水をかみながら、千聖から緑茶を受け取った。ゴミ箱の中は、お菓子のゴミとティッシュでいっぱいになっている。千聖は空になったビニール袋とゴミ袋を取り替え、優奈の隣に戻した。
「私はね、かずくんの笑顔が見たくて、がんばっていろんなお店を探してたりしてたの。それが重いしウザいって、あんまりだわ!」
緑茶で喉を潤した優奈は、もう何度目か分からない話を再び始めた。
「そうよね。優奈は彼氏くんのためにやったんだものね」
千聖はただひたすら、優奈の言葉に肯定する。
優奈の適当さに見かねた千聖は、彼女に自分が買ったものを持たせる。
「えへへ、ありがと」
「……どういたしまして」
千聖は嫌味ったらしく言うと、慣れた手つきで袋詰めを終わらせる。
「さ、行きましょ」
「うん!」
大きく頷きながら千聖の腕に抱きつく優奈は、満面の笑顔だ。ふたりはラブホテルに入ると、テーブルの上に酒とお菓子を並べていく。
「……で、どうすんの?」
千聖が声をかけると、優奈は泣き出した。
(忙しい子ね……)
「わた、私だってね、本当はね、しゅっとしてて年上で、王子様みたいな人が好きなのぉ! でも、かずくんは特別だってっていうか……。なのに、酷い!」
いつものことながら、話のまとまりの無さに、千聖は頭を抱える。
「でも、最初は順調だったんでしょ?」
「そう! 最近までは普通にラブラブだったんだから! なのに、1ヶ月くらい前から距離置かれちゃって……」
優奈は涙ながらに経緯を話していく。優奈が失恋した時は、別れた経緯と彼との思い出話を聞きながら肯定していくに限る。慰めや否定の言葉でもかけようものなら、彼女は喚き散らしながら、近くに置いてあるものを手当り次第に壊してしまう。
優奈は缶チューハイや甘いお菓子を口に運びながら、何度も同じ話を繰り返す。千聖は内心うんざりしながら、相槌をうっていく。
「優奈、そろそろお茶飲もう? 脱水症状になったら大変だから」
「うん、ありがと……」
優奈は鼻水をかみながら、千聖から緑茶を受け取った。ゴミ箱の中は、お菓子のゴミとティッシュでいっぱいになっている。千聖は空になったビニール袋とゴミ袋を取り替え、優奈の隣に戻した。
「私はね、かずくんの笑顔が見たくて、がんばっていろんなお店を探してたりしてたの。それが重いしウザいって、あんまりだわ!」
緑茶で喉を潤した優奈は、もう何度目か分からない話を再び始めた。
「そうよね。優奈は彼氏くんのためにやったんだものね」
千聖はただひたすら、優奈の言葉に肯定する。