この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
続・独占欲に捕らわれて
第3章 紅玲の取材旅行
「もう、下手ね……。やってあげるから、これ持ってて」
優奈の適当さに見かねた千聖は、彼女に自分が買ったものを持たせる。
「えへへ、ありがと」
「……どういたしまして」
千聖は嫌味ったらしく言うと、慣れた手つきで袋詰めを終わらせる。

「さ、行きましょ」
「うん!」
大きく頷きながら千聖の腕に抱きつく優奈は、満面の笑顔だ。ふたりはラブホテルに入ると、テーブルの上に酒とお菓子を並べていく。

「……で、どうすんの?」
千聖が声をかけると、優奈は泣き出した。
(忙しい子ね……)
「わた、私だってね、本当はね、しゅっとしてて年上で、王子様みたいな人が好きなのぉ! でも、かずくんは特別だってっていうか……。なのに、酷い!」
いつものことながら、話のまとまりの無さに、千聖は頭を抱える。

「でも、最初は順調だったんでしょ?」
「そう! 最近までは普通にラブラブだったんだから! なのに、1ヶ月くらい前から距離置かれちゃって……」
優奈は涙ながらに経緯を話していく。優奈が失恋した時は、別れた経緯と彼との思い出話を聞きながら肯定していくに限る。慰めや否定の言葉でもかけようものなら、彼女は喚き散らしながら、近くに置いてあるものを手当り次第に壊してしまう。

優奈は缶チューハイや甘いお菓子を口に運びながら、何度も同じ話を繰り返す。千聖は内心うんざりしながら、相槌をうっていく。
「優奈、そろそろお茶飲もう? 脱水症状になったら大変だから」
「うん、ありがと……」
優奈は鼻水をかみながら、千聖から緑茶を受け取った。ゴミ箱の中は、お菓子のゴミとティッシュでいっぱいになっている。千聖は空になったビニール袋とゴミ袋を取り替え、優奈の隣に戻した。

「私はね、かずくんの笑顔が見たくて、がんばっていろんなお店を探してたりしてたの。それが重いしウザいって、あんまりだわ!」
緑茶で喉を潤した優奈は、もう何度目か分からない話を再び始めた。
「そうよね。優奈は彼氏くんのためにやったんだものね」
千聖はただひたすら、優奈の言葉に肯定する。
/109ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ