この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
続・独占欲に捕らわれて
第3章 紅玲の取材旅行
優奈が静かになったのは、日付が変わる少し前。千聖の警告を無視して呑み過ぎた優奈は、トイレで吐くと、口をゆすいで眠ってしまった。千聖は優奈の飲みかけの缶チューハイを空にすると、ゴミをまとめた。
「はぁ……今回はかなり重症だったわね……」
居酒屋で会ってからのことを振り返りながら、千聖は大きなため息をつく。

「疲れた……」
千聖はスマホを持って風呂場に行くと、紅玲に電話をかける。
「出てくれればいいんだけど……」
4コール目で、紅玲は電話に出た。

『もしもし、チサちゃん。寂しくて眠れないのかな?』
茶化すような紅玲の声に、安堵を覚える。
「まぁ、そんなところかしら? 今日は爆音機と一緒だから、疲れちゃって」
『なにそれ』
紅玲はクスクス笑う。

「優奈よ。彼氏に振られたんですって。今回は長く続いてた方だから、重症なのよ……」
『あっはは、それはお疲れ様。それで、どこにいるの?』
紅玲の“お疲れ様”の一言で、疲れがじんわり溶けていく。
「ラブホテルよ。ここなら、大声で泣かれても迷惑かからないから」
『なに、そんなにすごいの?』
「えぇ、今日なんて居酒屋で泣き叫んでいたわ……」
千聖がげんなりしながら言うと、紅玲はゲラゲラ笑う。

『なるほどねぇ、恋愛中毒者って別れたら大変なんだね。参考になったよ』
声から察するに、彼は笑いを堪えながら言っている。
「お役に立てたのならよかったわ。取材はどう?」
『なかなか面白いよ。今日は寺と神社を見て回ってるんだけど、どこも個性的でね。今度ふたりで観光に行こうよ』
「えぇ、是非とも行きたいわ」
嬉しい誘いに、千聖の声音は明るくなる。

『チサちゃんと一緒なら、もっと楽しいんだろうなぁ……。甘味処巡りなんていいかもね』
無邪気に言う紅玲に、千聖は吹き出した。
「本当に甘いの好きね。もう少しロマンティックなところへ行こうとは思わないのかしら?」
『景色のいい防音の宿があれば、充分だと思わない?』
予想外な紅玲のかえしに、千聖は頬を染める。
/109ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ