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続・独占欲に捕らわれて
第3章 紅玲の取材旅行
優奈が静かになったのは、日付が変わる少し前。千聖の警告を無視して呑み過ぎた優奈は、トイレで吐くと、口をゆすいで眠ってしまった。千聖は優奈の飲みかけの缶チューハイを空にすると、ゴミをまとめた。
「はぁ……今回はかなり重症だったわね……」
居酒屋で会ってからのことを振り返りながら、千聖は大きなため息をつく。
「疲れた……」
千聖はスマホを持って風呂場に行くと、紅玲に電話をかける。
「出てくれればいいんだけど……」
4コール目で、紅玲は電話に出た。
『もしもし、チサちゃん。寂しくて眠れないのかな?』
茶化すような紅玲の声に、安堵を覚える。
「まぁ、そんなところかしら? 今日は爆音機と一緒だから、疲れちゃって」
『なにそれ』
紅玲はクスクス笑う。
「優奈よ。彼氏に振られたんですって。今回は長く続いてた方だから、重症なのよ……」
『あっはは、それはお疲れ様。それで、どこにいるの?』
紅玲の“お疲れ様”の一言で、疲れがじんわり溶けていく。
「ラブホテルよ。ここなら、大声で泣かれても迷惑かからないから」
『なに、そんなにすごいの?』
「えぇ、今日なんて居酒屋で泣き叫んでいたわ……」
千聖がげんなりしながら言うと、紅玲はゲラゲラ笑う。
『なるほどねぇ、恋愛中毒者って別れたら大変なんだね。参考になったよ』
声から察するに、彼は笑いを堪えながら言っている。
「お役に立てたのならよかったわ。取材はどう?」
『なかなか面白いよ。今日は寺と神社を見て回ってるんだけど、どこも個性的でね。今度ふたりで観光に行こうよ』
「えぇ、是非とも行きたいわ」
嬉しい誘いに、千聖の声音は明るくなる。
『チサちゃんと一緒なら、もっと楽しいんだろうなぁ……。甘味処巡りなんていいかもね』
無邪気に言う紅玲に、千聖は吹き出した。
「本当に甘いの好きね。もう少しロマンティックなところへ行こうとは思わないのかしら?」
『景色のいい防音の宿があれば、充分だと思わない?』
予想外な紅玲のかえしに、千聖は頬を染める。
「はぁ……今回はかなり重症だったわね……」
居酒屋で会ってからのことを振り返りながら、千聖は大きなため息をつく。
「疲れた……」
千聖はスマホを持って風呂場に行くと、紅玲に電話をかける。
「出てくれればいいんだけど……」
4コール目で、紅玲は電話に出た。
『もしもし、チサちゃん。寂しくて眠れないのかな?』
茶化すような紅玲の声に、安堵を覚える。
「まぁ、そんなところかしら? 今日は爆音機と一緒だから、疲れちゃって」
『なにそれ』
紅玲はクスクス笑う。
「優奈よ。彼氏に振られたんですって。今回は長く続いてた方だから、重症なのよ……」
『あっはは、それはお疲れ様。それで、どこにいるの?』
紅玲の“お疲れ様”の一言で、疲れがじんわり溶けていく。
「ラブホテルよ。ここなら、大声で泣かれても迷惑かからないから」
『なに、そんなにすごいの?』
「えぇ、今日なんて居酒屋で泣き叫んでいたわ……」
千聖がげんなりしながら言うと、紅玲はゲラゲラ笑う。
『なるほどねぇ、恋愛中毒者って別れたら大変なんだね。参考になったよ』
声から察するに、彼は笑いを堪えながら言っている。
「お役に立てたのならよかったわ。取材はどう?」
『なかなか面白いよ。今日は寺と神社を見て回ってるんだけど、どこも個性的でね。今度ふたりで観光に行こうよ』
「えぇ、是非とも行きたいわ」
嬉しい誘いに、千聖の声音は明るくなる。
『チサちゃんと一緒なら、もっと楽しいんだろうなぁ……。甘味処巡りなんていいかもね』
無邪気に言う紅玲に、千聖は吹き出した。
「本当に甘いの好きね。もう少しロマンティックなところへ行こうとは思わないのかしら?」
『景色のいい防音の宿があれば、充分だと思わない?』
予想外な紅玲のかえしに、千聖は頬を染める。