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続・独占欲に捕らわれて
第3章 紅玲の取材旅行
「あああああっ!!!」
今度は見るも無残なジャムパンを見て、大声を出す。
「本当に忙しいわね、あんたは……」
表情をころころ変える優奈を見て、千聖は失笑する。
「うぅ……私のジャムパンが……」
そう言いながらも、ジャムパンにかじりつく。
「えっと、紅玲くん、ひとりで大丈夫なの?」
「ふふっ……、一応斗真が一緒らしいんだけど、それでも心配なものは心配だし、何よりも寂しいのよね……」
信頼のおける旧友に、千聖はすらすらと本音を語る。
「それだけ千聖の中で、紅玲くんの存在が大きくなったんだね。よかったよかった。結婚式楽しみにしてるね」
「気が早いわよ。でも、紅玲も結婚のことはちゃんと考えてくれてるみたいなの」
幸せそうに話す千聖を、優奈は優しい眼差しで見つめる。
「ふたりは本当にうまくいってるんだね。こっちに来てからビッチになっちゃったから心配だったけど、安心した。今まで苦労してきたぶん、千聖には幸せになってほしかったから」
「優奈……」
思ってもみなかった親友の言葉に、目頭が熱くなる。
「私の幸せを願ってくれるのは嬉しいけど、優奈も幸せになるのよ? まずはしっかり者の彼氏を見つけなきゃ」
「うっ……頑張る……」
危うくなった涙腺を誤魔化すと、優奈は渋い顔をする。
「さてと、少し早いけど私はそろそろ出勤するわね。えっと、宿泊代は……」
「2000円でいいよ」
「本当にどうしちゃったの?」
いつもはちゃっかりしている優奈が、ここまで積極的にお金を出すのは珍しい。千聖は思わず、彼女の正気を疑った。
「ひっどいなぁ。……私ね、最近思うの。彼氏と続かないのは、私が原因なんじゃないかって。だからちゃんとした人になろうって、できることからやっていくことにしたんだ」
そう言って目を細める優奈は、千聖の目には大人びて見えた。
「なるほどね、いい考えだと思うわ。優奈の成長を祝って、言い値に千円プラスしておくわ。あと、残ってるお酒もおつまみも全部あげる」
千聖は3000円をテーブルに置きながら言う。
今度は見るも無残なジャムパンを見て、大声を出す。
「本当に忙しいわね、あんたは……」
表情をころころ変える優奈を見て、千聖は失笑する。
「うぅ……私のジャムパンが……」
そう言いながらも、ジャムパンにかじりつく。
「えっと、紅玲くん、ひとりで大丈夫なの?」
「ふふっ……、一応斗真が一緒らしいんだけど、それでも心配なものは心配だし、何よりも寂しいのよね……」
信頼のおける旧友に、千聖はすらすらと本音を語る。
「それだけ千聖の中で、紅玲くんの存在が大きくなったんだね。よかったよかった。結婚式楽しみにしてるね」
「気が早いわよ。でも、紅玲も結婚のことはちゃんと考えてくれてるみたいなの」
幸せそうに話す千聖を、優奈は優しい眼差しで見つめる。
「ふたりは本当にうまくいってるんだね。こっちに来てからビッチになっちゃったから心配だったけど、安心した。今まで苦労してきたぶん、千聖には幸せになってほしかったから」
「優奈……」
思ってもみなかった親友の言葉に、目頭が熱くなる。
「私の幸せを願ってくれるのは嬉しいけど、優奈も幸せになるのよ? まずはしっかり者の彼氏を見つけなきゃ」
「うっ……頑張る……」
危うくなった涙腺を誤魔化すと、優奈は渋い顔をする。
「さてと、少し早いけど私はそろそろ出勤するわね。えっと、宿泊代は……」
「2000円でいいよ」
「本当にどうしちゃったの?」
いつもはちゃっかりしている優奈が、ここまで積極的にお金を出すのは珍しい。千聖は思わず、彼女の正気を疑った。
「ひっどいなぁ。……私ね、最近思うの。彼氏と続かないのは、私が原因なんじゃないかって。だからちゃんとした人になろうって、できることからやっていくことにしたんだ」
そう言って目を細める優奈は、千聖の目には大人びて見えた。
「なるほどね、いい考えだと思うわ。優奈の成長を祝って、言い値に千円プラスしておくわ。あと、残ってるお酒もおつまみも全部あげる」
千聖は3000円をテーブルに置きながら言う。