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続・独占欲に捕らわれて
第3章 紅玲の取材旅行
「遊びで行ってるんじゃないし、出なくてもおかしくないわよね……」
自分に言い聞かせるように呟くと、スマホをしまってオフィスに戻った。
(お昼頃なら、出てくれるはず……)
千聖はこまめに時計を見ながら仕事をするが、時計は千聖の意思に関係なく、ゆったり回る。
(もう、いつもはあっという間に時間が経つのに)
ゆっくり進む時計にやきもきしながら、午前中の仕事が終わった。

12時になると、千聖はすぐに紅玲に電話をかける。だが紅玲は、またしてもなかなか出てくれない。
「どうしてよ……」
不安になって、つい苛立ってしまう。電話をかけてから30秒が過ぎると、紅玲はようやく電話に出た。
『もしもし、チサちゃん。もうお昼なんだねぇ……』
あくび混じりの紅玲に、千聖はスマホを落としそうになる。

「紅玲、あなたもしかして……さっきまでずっと寝てたの?」
『あっはは、ご名答。昨日はたくさん歩いたし、トーマとも遅くまで喋ってたからねぇ』
呑気な紅玲の声に、千聖は頭を抱える。

「もう、取材はどうしたのよ?」
『もちろんちゃんとするって。あ、ねぇ、写真見てくれた?』
「えぇ、見たわ。連れて行ってもらえる日が楽しみ。それより、大丈夫なの? 色々と」
千聖が心配すると、紅玲は呆れ返るようにため息をついた。

『もう、心配しすぎ。オレだって子供じゃないんだから』
「そう、そうよね……」
いつものように笑って言葉を返してくれると思っていた千聖は、少し戸惑いながら返事をする。

『おなか空いたし、そろそろ切るね』
「えぇ、また」
電話は千聖の言葉の途中で切られてしまった。
「怒らせちゃったかしら……?」
憂いを帯びた目で、スマホを見つめる。

「私もご飯、食べなくちゃ」
千聖は1年ぶりに食券を買うと、食堂の列に並んだ。以前よく食べていたボロネーゼの食券をおばさんに渡すと、彼女は嬉しそうに千聖の顔を見る。
「あらあら、ちぃちゃん! ここ1年近くぜーんぜん食堂の食べてくれないから、すごく寂しかったのよ?」
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