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続・独占欲に捕らわれて
第1章 穏やかな朝
「なんて顔してんの」
「だって、私から聞きたくて聞いたのに、なんだか嫉妬しちゃって……。紅玲は、助教授に恋愛感情を抱いてなかったって知ってるのに……」
千聖は紅玲から目を逸らした。
「嫉妬してくれるのは、嬉しいよ。だって、それだけオレのこと愛してくれてるんでしょ?」
紅玲は言い終えると、千聖を自分の方に向かせてキスをした。
「あなたって、本当に変わってるわ」
千聖は自分の唇に触れながら、小さく笑う。
「褒め言葉として受け取っておくよ。そうだ、チサちゃんがずっと知りたがってたこと、教えたげる」
「私が知りたがってたことって?」
思考を巡らせるもなんのことが分からず、千聖は首を傾げる。
「オレがどうしてチサちゃんを好きになったのか」
紅玲の言葉に、千聖は目を丸くする。それは千聖が紅玲に苦手意識を持っていた時の疑問だ。
「あの時は、好きになるのに理由なんかない、とか言ってたわよね?」
「もちろんそれは嘘じゃないよ。でもね、チサちゃんを好きになった理由は一応いくつかあるんだよね」
「それは是非とも聞きたいわ」
千聖は紅玲の腕に抱きつき、彼を見上げた。
「まずは純粋に一目惚れ。次に、オレに冷たい態度とったこと」
「わけが分からないんだけど……」
千聖が呆れ返ると、紅玲は小さく笑った。
「実は大学でさ、名前と顔はほとんど覚えてないけど、占いサークルの部長に『アンタの運命の人は、アンタを嫌ってる人かもね』って言われたんだよ。なんかその言葉が忘れらんなくて」
「顔も名前も覚えてない人の言葉を信じたわけ?」
「なんか納得しちゃったんだよね。チサちゃんも知ってるでしょ? オレに言い寄ってくるのは、金目当てか、頭のおかしい子だけだったって」
紅玲の言葉に、千聖は顔をしかめる。紅玲の歴代の恋人は全員金目当てで、金をもらったら彼をボロ雑巾のように捨てた。紅玲に好意を寄せる女性もいたが、彼女達は自分が紅玲の恋人だと思い込み、他の女性や紅玲の親友である斗真に危害を与えたりと酷かった。
千聖はそれを斗真と、紅玲本人から聞かされている。
「だって、私から聞きたくて聞いたのに、なんだか嫉妬しちゃって……。紅玲は、助教授に恋愛感情を抱いてなかったって知ってるのに……」
千聖は紅玲から目を逸らした。
「嫉妬してくれるのは、嬉しいよ。だって、それだけオレのこと愛してくれてるんでしょ?」
紅玲は言い終えると、千聖を自分の方に向かせてキスをした。
「あなたって、本当に変わってるわ」
千聖は自分の唇に触れながら、小さく笑う。
「褒め言葉として受け取っておくよ。そうだ、チサちゃんがずっと知りたがってたこと、教えたげる」
「私が知りたがってたことって?」
思考を巡らせるもなんのことが分からず、千聖は首を傾げる。
「オレがどうしてチサちゃんを好きになったのか」
紅玲の言葉に、千聖は目を丸くする。それは千聖が紅玲に苦手意識を持っていた時の疑問だ。
「あの時は、好きになるのに理由なんかない、とか言ってたわよね?」
「もちろんそれは嘘じゃないよ。でもね、チサちゃんを好きになった理由は一応いくつかあるんだよね」
「それは是非とも聞きたいわ」
千聖は紅玲の腕に抱きつき、彼を見上げた。
「まずは純粋に一目惚れ。次に、オレに冷たい態度とったこと」
「わけが分からないんだけど……」
千聖が呆れ返ると、紅玲は小さく笑った。
「実は大学でさ、名前と顔はほとんど覚えてないけど、占いサークルの部長に『アンタの運命の人は、アンタを嫌ってる人かもね』って言われたんだよ。なんかその言葉が忘れらんなくて」
「顔も名前も覚えてない人の言葉を信じたわけ?」
「なんか納得しちゃったんだよね。チサちゃんも知ってるでしょ? オレに言い寄ってくるのは、金目当てか、頭のおかしい子だけだったって」
紅玲の言葉に、千聖は顔をしかめる。紅玲の歴代の恋人は全員金目当てで、金をもらったら彼をボロ雑巾のように捨てた。紅玲に好意を寄せる女性もいたが、彼女達は自分が紅玲の恋人だと思い込み、他の女性や紅玲の親友である斗真に危害を与えたりと酷かった。
千聖はそれを斗真と、紅玲本人から聞かされている。