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続・独占欲に捕らわれて
第5章 策士愛に溺れる

「紅玲、僕が出入りしてること言ってなかったのか? 旅行の件といい、酷いんじゃないか?」
「だって、努力してるの自分で言うのなんか嫌だしさぁ。旅行のことは反省してるって。お詫びにあとで1杯おごったげるから」
言葉では反省しているが、悪びれる様子もなくヘラヘラしている。
「僕は実害がなかったからいいが、恋人を置いてけぼりにするのは感心しないな。……地下室の話だが、僕と紅玲は剣術の手合わせをしているんだ」
「剣術!?」
予想だにしていなかった答えに、千聖は大声を出してふたりを見比べる。
「剣術っていっても、チャンバラごっこみたいなものだけどね。中学時代に剣道部だったんだけど、ルールが煩わしくなっちゃって、自由に木刀振り回してるだけ」
「充分すごいじゃない。今度見てみたいわ」
千聖は目を輝かせて、紅玲を見上げる。
「あっはは、それならトーマには是が非でも勝たなきゃ」
「言っておくが、手加減はしないぞ。さて、僕はそろそろ行くよ。ふたりとも、お幸せに」
斗真は優しく微笑むと、千聖達が歩いてきた道を辿った。
「オレ達も行こうか」
「えぇ」
紅玲は再び目的地を告げないまま、歩き出した。
10分ほど歩いてついたのは、ドレス専門店だ。
「次はお姫様が出る物語でも書くつもりなの?」
紅玲がシナリオを書く度に、キャラクターのイメージにあった衣装を着せられている千聖は、今回もそうなのかと思いながら店を見上げる。
「お姫様が出る物語を書くのも悪くないけど、今回は違うんだよねぇ」
そう言って紅玲は、千聖の肩を抱いて入店する。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなドレスをお探しでしょうか?」
店に入るなり、30代の上品な女性店員がふたりに声をかけてきた。
「この子のウエディングドレスを仕立ててもらいたいんだ」
「えぇ!?」
驚いて紅玲を見上げると、彼は静かに微笑んでいる。
「オレと結婚してくれるでしょ?」
「なんて強引なプロポーズなの……。とても嬉しいし、もちろんするけど……」
千聖が頭を抱えながら言うと、店員はクスクス笑う。
「だって、努力してるの自分で言うのなんか嫌だしさぁ。旅行のことは反省してるって。お詫びにあとで1杯おごったげるから」
言葉では反省しているが、悪びれる様子もなくヘラヘラしている。
「僕は実害がなかったからいいが、恋人を置いてけぼりにするのは感心しないな。……地下室の話だが、僕と紅玲は剣術の手合わせをしているんだ」
「剣術!?」
予想だにしていなかった答えに、千聖は大声を出してふたりを見比べる。
「剣術っていっても、チャンバラごっこみたいなものだけどね。中学時代に剣道部だったんだけど、ルールが煩わしくなっちゃって、自由に木刀振り回してるだけ」
「充分すごいじゃない。今度見てみたいわ」
千聖は目を輝かせて、紅玲を見上げる。
「あっはは、それならトーマには是が非でも勝たなきゃ」
「言っておくが、手加減はしないぞ。さて、僕はそろそろ行くよ。ふたりとも、お幸せに」
斗真は優しく微笑むと、千聖達が歩いてきた道を辿った。
「オレ達も行こうか」
「えぇ」
紅玲は再び目的地を告げないまま、歩き出した。
10分ほど歩いてついたのは、ドレス専門店だ。
「次はお姫様が出る物語でも書くつもりなの?」
紅玲がシナリオを書く度に、キャラクターのイメージにあった衣装を着せられている千聖は、今回もそうなのかと思いながら店を見上げる。
「お姫様が出る物語を書くのも悪くないけど、今回は違うんだよねぇ」
そう言って紅玲は、千聖の肩を抱いて入店する。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなドレスをお探しでしょうか?」
店に入るなり、30代の上品な女性店員がふたりに声をかけてきた。
「この子のウエディングドレスを仕立ててもらいたいんだ」
「えぇ!?」
驚いて紅玲を見上げると、彼は静かに微笑んでいる。
「オレと結婚してくれるでしょ?」
「なんて強引なプロポーズなの……。とても嬉しいし、もちろんするけど……」
千聖が頭を抱えながら言うと、店員はクスクス笑う。

