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続・独占欲に捕らわれて
第5章 策士愛に溺れる

「実物出来上がるのが楽しみだね」
紅玲は千聖に寄り添うように、ラフをのぞき込む。
「このデザインは奥様だからこそですね。誰でも着られるようなデザインではありません」
店員は目を細める。
「チサちゃんは特別だからねぇ。じゃあ次はお色直しのドレス決めてもらう?」
「その前に、ベールやブーケを決めてはどうでしょう?」
どこから取り出したのか、店員はウエディングドレスを着てこちらに微笑む女性が表紙のカタログをふたりの前に置いた。店員はとても博識で、花言葉や色の組み合わせでどのように印象が変わるかなどを説明してくれる。千聖は彼女の知識に感心するばかりだったが、紅玲は真剣に聞き、時々質問をしてはメモを取る。
「熱心な旦那様ですね」
「これはただの職業病ですよ。こう見えてもシナリオライターなんです」
「まぁ、そうなんですね」
(敬語になるもの、職業病かしら?)
千聖は少し前までは店員にすらタメ口だった紅玲を思い返しながら、首を傾げる。
ベールやブーケをなんとか決めると、次はお色直しのドレスを決めることになった。
「お色直しのドレスは、オレが決めてもいい?」
「えぇ、いいわよ。ところで、紅玲のタキシードとかは決めなくていいの?」
千聖の言葉に、紅玲は固まる。
「すっかり忘れてた」
ドレスにばかり熱心な紅玲に、千聖と店員は吹き出した。
「当店はタキシードのオーダーも承っておりますよ」
「ですって。私も紅玲のタキシード決めたいわ」
「じゃあ、ドレスが終わったらタキシード選びしよっか」
紅玲はタキシードを着てズラリと並ぶマネキンをチラリと見ると、ウエディングドレスを眺めた。
結局千聖のドレスや小物を決めるだけで半日が過ぎ、この日はそれらの見積もりをもらって帰ることにした。ふたりはレストランに入り、昼食をとることにした。
「とても楽しかったし、嬉しいわ。改めてありがとう、紅玲」
何度も足を運んだフレンチレストランの個室に入ると、千聖は改めて礼を言う。
「どういたしまして。正式に婚約ができて、オレも嬉しいよ」
紅玲は千聖に寄り添うように、ラフをのぞき込む。
「このデザインは奥様だからこそですね。誰でも着られるようなデザインではありません」
店員は目を細める。
「チサちゃんは特別だからねぇ。じゃあ次はお色直しのドレス決めてもらう?」
「その前に、ベールやブーケを決めてはどうでしょう?」
どこから取り出したのか、店員はウエディングドレスを着てこちらに微笑む女性が表紙のカタログをふたりの前に置いた。店員はとても博識で、花言葉や色の組み合わせでどのように印象が変わるかなどを説明してくれる。千聖は彼女の知識に感心するばかりだったが、紅玲は真剣に聞き、時々質問をしてはメモを取る。
「熱心な旦那様ですね」
「これはただの職業病ですよ。こう見えてもシナリオライターなんです」
「まぁ、そうなんですね」
(敬語になるもの、職業病かしら?)
千聖は少し前までは店員にすらタメ口だった紅玲を思い返しながら、首を傾げる。
ベールやブーケをなんとか決めると、次はお色直しのドレスを決めることになった。
「お色直しのドレスは、オレが決めてもいい?」
「えぇ、いいわよ。ところで、紅玲のタキシードとかは決めなくていいの?」
千聖の言葉に、紅玲は固まる。
「すっかり忘れてた」
ドレスにばかり熱心な紅玲に、千聖と店員は吹き出した。
「当店はタキシードのオーダーも承っておりますよ」
「ですって。私も紅玲のタキシード決めたいわ」
「じゃあ、ドレスが終わったらタキシード選びしよっか」
紅玲はタキシードを着てズラリと並ぶマネキンをチラリと見ると、ウエディングドレスを眺めた。
結局千聖のドレスや小物を決めるだけで半日が過ぎ、この日はそれらの見積もりをもらって帰ることにした。ふたりはレストランに入り、昼食をとることにした。
「とても楽しかったし、嬉しいわ。改めてありがとう、紅玲」
何度も足を運んだフレンチレストランの個室に入ると、千聖は改めて礼を言う。
「どういたしまして。正式に婚約ができて、オレも嬉しいよ」

