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続・独占欲に捕らわれて
第5章 策士愛に溺れる

「でも、お色直しのドレスは少し派手すぎない?」
「嫌だった?」
「そんなことないわ。あなたが似合うって思って考えてくれたんだもの」
千聖はほんのり頬を染める。紅玲が考えたドレスは深紅のプリンセスラインで、スカートの部分は幾重にも重なる深紅の中に、1枚だけ黒い生地が使われている。
「ホント、チサちゃんはオレを喜ばせるの上手だよねぇ」
「私は思ったことを言ってるだけよ?」
「知ってる。だから尚更嬉しいんだよ」
紅玲は言い終わると、真剣な眼差しで千聖を見る。
「ちょっと、どうしたの?」
「チサちゃん、手を出して」
どちらの手を出していいのか分からない千聖は、両手をテーブルの上に置く。紅玲は左手を取る。
(もしかして……)
左手に触れられ、千聖は淡い期待をする。
紅玲はあいてる手をポケットに入れると、指輪を出して千聖の薬指にはめた。
「オレと婚約してくれてありがとう。永遠に大事にするよ」
「紅玲……。私も、永遠にあなたのそばにいるし、大事にするわ」
千聖は熱くなる目頭をおさえる。
「泣くほど嬉しいんだ?」
「当たり前でしょう。不思議ね、さっきまで一緒にドレス考えたりしてたし、こんな日が来るって分かってたのに……。怖いくらい幸せだわ」
「これからもっと、幸せな日々が続くんだよ」
紅玲は優しく微笑むと、千聖の左手にキスをした。
「ふふっ、そうね」
千聖は涙を拭い、微笑んでみせる。
翌日、ふたりは紅玲のタキシードをオーダーしに、昨日の店へ足を運んだ。この日も半日かけながらタキシードを決めると、家に帰ってふたりでノートパソコンを開いた。
「式場、どこがいい? いっそのこと、思い切って海外でもいいし」
「あなたパスポート持ってないでしょ?」
浮かれ気味の紅玲に、千聖は苦笑する。
「そんなの、結婚式の前に取ればいいよ」
「初めての海外が結婚式っていうのも、素敵よね」
千聖はまだ見ぬ異国へ思いを馳せる。
「もしかして、チサちゃんも海外は行ったことない?」
「えぇ。一応国内旅行する時に、優奈と悪ノリでパスポート買ったんだけどね……」
「嫌だった?」
「そんなことないわ。あなたが似合うって思って考えてくれたんだもの」
千聖はほんのり頬を染める。紅玲が考えたドレスは深紅のプリンセスラインで、スカートの部分は幾重にも重なる深紅の中に、1枚だけ黒い生地が使われている。
「ホント、チサちゃんはオレを喜ばせるの上手だよねぇ」
「私は思ったことを言ってるだけよ?」
「知ってる。だから尚更嬉しいんだよ」
紅玲は言い終わると、真剣な眼差しで千聖を見る。
「ちょっと、どうしたの?」
「チサちゃん、手を出して」
どちらの手を出していいのか分からない千聖は、両手をテーブルの上に置く。紅玲は左手を取る。
(もしかして……)
左手に触れられ、千聖は淡い期待をする。
紅玲はあいてる手をポケットに入れると、指輪を出して千聖の薬指にはめた。
「オレと婚約してくれてありがとう。永遠に大事にするよ」
「紅玲……。私も、永遠にあなたのそばにいるし、大事にするわ」
千聖は熱くなる目頭をおさえる。
「泣くほど嬉しいんだ?」
「当たり前でしょう。不思議ね、さっきまで一緒にドレス考えたりしてたし、こんな日が来るって分かってたのに……。怖いくらい幸せだわ」
「これからもっと、幸せな日々が続くんだよ」
紅玲は優しく微笑むと、千聖の左手にキスをした。
「ふふっ、そうね」
千聖は涙を拭い、微笑んでみせる。
翌日、ふたりは紅玲のタキシードをオーダーしに、昨日の店へ足を運んだ。この日も半日かけながらタキシードを決めると、家に帰ってふたりでノートパソコンを開いた。
「式場、どこがいい? いっそのこと、思い切って海外でもいいし」
「あなたパスポート持ってないでしょ?」
浮かれ気味の紅玲に、千聖は苦笑する。
「そんなの、結婚式の前に取ればいいよ」
「初めての海外が結婚式っていうのも、素敵よね」
千聖はまだ見ぬ異国へ思いを馳せる。
「もしかして、チサちゃんも海外は行ったことない?」
「えぇ。一応国内旅行する時に、優奈と悪ノリでパスポート買ったんだけどね……」

