この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
続・独占欲に捕らわれて
第5章 策士愛に溺れる
「でも、お色直しのドレスは少し派手すぎない?」
「嫌だった?」
「そんなことないわ。あなたが似合うって思って考えてくれたんだもの」
千聖はほんのり頬を染める。紅玲が考えたドレスは深紅のプリンセスラインで、スカートの部分は幾重にも重なる深紅の中に、1枚だけ黒い生地が使われている。

「ホント、チサちゃんはオレを喜ばせるの上手だよねぇ」
「私は思ったことを言ってるだけよ?」
「知ってる。だから尚更嬉しいんだよ」
紅玲は言い終わると、真剣な眼差しで千聖を見る。

「ちょっと、どうしたの?」
「チサちゃん、手を出して」
どちらの手を出していいのか分からない千聖は、両手をテーブルの上に置く。紅玲は左手を取る。
(もしかして……)
左手に触れられ、千聖は淡い期待をする。

紅玲はあいてる手をポケットに入れると、指輪を出して千聖の薬指にはめた。
「オレと婚約してくれてありがとう。永遠に大事にするよ」
「紅玲……。私も、永遠にあなたのそばにいるし、大事にするわ」
千聖は熱くなる目頭をおさえる。

「泣くほど嬉しいんだ?」
「当たり前でしょう。不思議ね、さっきまで一緒にドレス考えたりしてたし、こんな日が来るって分かってたのに……。怖いくらい幸せだわ」
「これからもっと、幸せな日々が続くんだよ」
紅玲は優しく微笑むと、千聖の左手にキスをした。
「ふふっ、そうね」
千聖は涙を拭い、微笑んでみせる。

翌日、ふたりは紅玲のタキシードをオーダーしに、昨日の店へ足を運んだ。この日も半日かけながらタキシードを決めると、家に帰ってふたりでノートパソコンを開いた。
「式場、どこがいい? いっそのこと、思い切って海外でもいいし」
「あなたパスポート持ってないでしょ?」
浮かれ気味の紅玲に、千聖は苦笑する。

「そんなの、結婚式の前に取ればいいよ」
「初めての海外が結婚式っていうのも、素敵よね」
千聖はまだ見ぬ異国へ思いを馳せる。
「もしかして、チサちゃんも海外は行ったことない?」
「えぇ。一応国内旅行する時に、優奈と悪ノリでパスポート買ったんだけどね……」
/109ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ