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続・独占欲に捕らわれて
第5章 策士愛に溺れる
「千聖さん。あなたは今、紅玲さんを夫とし、神の導きによって夫婦になろうとしています。汝病める時も健やかなる時も、悲しみの時も喜びの時も、貧しい時も富める時も、これを愛し敬い、慰め遣え共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「はい、誓います」
千聖も紅玲をまっすぐ見つめながら、力強く頷く。

「では、指輪の交換を」
ふたりは指輪を外すと、紅玲から千聖に指輪をはめる。千聖が紅玲に指輪をはめると、紅玲は少しかがんで千聖にキスをした。千聖は目を丸くし、優奈はスマホを片手にニヤニヤしながらふたりを見ている。斗真は呆れ返ったように紅玲を見ると、咳払いをする。紅玲が慌てて背筋を伸ばすと、千聖は小さく笑った。

「……改めて、誓いのキスを」
千聖は紅玲の肩に手を添え背を伸ばし、紅玲は彼女の背中に手を回してキスをした。優奈と斗真は、ふたりを祝福して拍手をする。
「ふたり共、今日はありがとう」
「ご馳走を用意したから、食べてって」
6人掛けのテーブルの上には、ご馳走が並んでいる。

「ご馳走もいいけど、ブーケトスは?」
優奈は千聖が持っている白百合がメインのブーケを見つめる。
「あぁ、一大イベントだものね」
千聖は優奈の前まで歩くと、優奈にブーケを差し出す。
「はい。次は優奈が幸せになってね」
「ありがとう、千聖!」
優奈はブーケを受け取ると、千聖に抱きついた。

「絶対幸せにしてもらうのよ」
涙声の優奈に、千聖はあたたかい気持ちになりながら苦笑する。
「えぇ、もちろんよ。だから、優奈もいい人見つけて幸せになってね」
「うん!」
優奈は涙を拭って、笑顔で頷く。千聖は涙脆い旧友の肩を抱き、テーブルへ移動した。

紅玲と千聖は隣同士に座り、ふたりはそれぞれ旧友の前に座った。
「はぁ、千聖すっごく綺麗! ねー、食べ終わったらたくさん写真撮ろう」
優奈は目を輝かせる。
「さっきたくさん撮ってたじゃない……」
「それは紅玲くんとふたりだったり、式中の写真でしょ? ふたりで撮りたいの」
「そう言えばそうだったわね。そうね、せっかくこんなにいい部屋にいるんだし、たくさん撮りましょう」
千聖は優しく微笑みかける。
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