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続・独占欲に捕らわれて
第5章 策士愛に溺れる
「やったぁ!」
「大丈夫だとは思うけど、SNSにはアップしないでね。本当なら、こんなに可愛いチサちゃんを誰にも見せたくないんだから」
紅玲は張り付いた笑顔で、優奈に釘を刺す。
「うっ……分かってるわよ」
優奈が目を泳がせると、3人はため息をついた。
酒も入り、4人は話に花を咲かせる。
「ところで紅玲、君はよくこんな服を持ってたな。それに祈祷書まで……」
斗真は紅玲から借りている牧師の服を見ながら言う。
「ブラウン神父を読んでたら、牧師と神父の違いが気になっちゃってさぁ。ついでに仕事で結婚式のシーン書く予定だったから、買っちゃった」
「君は学生時代から本の虫だったからな……。にしても、後半は理解し難いぞ」
斗真は苦笑しながら言うと、シャンパンを一気に飲み干す。
「そう言えばふたりは古い付き合いなのよね? 紅玲の学生時代って、具体的にはどんな感じだったの?」
「真面目で成績は常に僕と1、2を争っていたよ。口数少ない本の虫で、こんなチャラチャラしてなかった。まったく、いつからこうなったんだか……」
斗真は嘆かわしいと言わんばかりに頭を抱える。千聖は以前見せてもらったふたりの写真を思い出し、納得する。
「トーマ、いくらなんでもそれはないんじゃない? オレをこんなにしたのは、他でもないトーマでしょ?」
「え、なにそれ? どういうこと?」
優奈は好奇心で目を輝かせ、身を乗り出す。
「めんどうなところははしょるけど、うちの親が面倒な親でさぁ。家出するためにはどうしたらいいんだろうって考えてたら、トーマがオレをグレさせたんだよ」
「それこそ語弊があると思うけどな」
斗真は気難しそうに、メガネを直しながら言う。
「確かに僕は親から見放されやすいように、V系ファッションやピアスをすすめたが、結局自分でこうなったんだろ? 僕だって紅玲が髪にメッシュ入れたり、唇にピアスを開けるとは思ってもみなかった」
「それだけ本気で出ていきたかったんじゃない?」
事情を知っている千聖は、紅玲をフォローする。
「大丈夫だとは思うけど、SNSにはアップしないでね。本当なら、こんなに可愛いチサちゃんを誰にも見せたくないんだから」
紅玲は張り付いた笑顔で、優奈に釘を刺す。
「うっ……分かってるわよ」
優奈が目を泳がせると、3人はため息をついた。
酒も入り、4人は話に花を咲かせる。
「ところで紅玲、君はよくこんな服を持ってたな。それに祈祷書まで……」
斗真は紅玲から借りている牧師の服を見ながら言う。
「ブラウン神父を読んでたら、牧師と神父の違いが気になっちゃってさぁ。ついでに仕事で結婚式のシーン書く予定だったから、買っちゃった」
「君は学生時代から本の虫だったからな……。にしても、後半は理解し難いぞ」
斗真は苦笑しながら言うと、シャンパンを一気に飲み干す。
「そう言えばふたりは古い付き合いなのよね? 紅玲の学生時代って、具体的にはどんな感じだったの?」
「真面目で成績は常に僕と1、2を争っていたよ。口数少ない本の虫で、こんなチャラチャラしてなかった。まったく、いつからこうなったんだか……」
斗真は嘆かわしいと言わんばかりに頭を抱える。千聖は以前見せてもらったふたりの写真を思い出し、納得する。
「トーマ、いくらなんでもそれはないんじゃない? オレをこんなにしたのは、他でもないトーマでしょ?」
「え、なにそれ? どういうこと?」
優奈は好奇心で目を輝かせ、身を乗り出す。
「めんどうなところははしょるけど、うちの親が面倒な親でさぁ。家出するためにはどうしたらいいんだろうって考えてたら、トーマがオレをグレさせたんだよ」
「それこそ語弊があると思うけどな」
斗真は気難しそうに、メガネを直しながら言う。
「確かに僕は親から見放されやすいように、V系ファッションやピアスをすすめたが、結局自分でこうなったんだろ? 僕だって紅玲が髪にメッシュ入れたり、唇にピアスを開けるとは思ってもみなかった」
「それだけ本気で出ていきたかったんじゃない?」
事情を知っている千聖は、紅玲をフォローする。