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続・独占欲に捕らわれて
第5章 策士愛に溺れる
「ドレス、買い取らなきゃね」
紅玲は千聖の耳元で囁くと、彼女を抱きしめて横になる。
「紅玲のせいってことにしておくわ。私は脱ぎましょうって何度も言ったもの」
千聖はおかしそうに笑いながら、紅玲の胸に顔を埋める。

「あっはは、そうだね。オレのせいだよ」
紅玲もおかしそうに笑いながら、千聖の髪を撫でる。
「買い取りの理由、一緒に考えてくれる?」
「えぇ、いいわよ。その前に、シャワーを浴びましょう」
「賛成」
紅玲はコンドームをティッシュに丸めて捨てると、千聖を抱きかかえて浴室へ行った。

ふたりは互いに躯を洗うと、湯船に浸かる。
「ねぇ、どんな理由で買い取ればいいと思う?」
「うーん……、こんな汚れは前代未聞だろうからねぇ。でも、普通の洗濯で落ちるような汚れなら、そのまま返しても請求されないよ?」
「そういう問題じゃないの! 他の人も着ると思うと恥ずかしいし、申し訳ないのよ……」
千聖が気まずそうに言うと、紅玲はクスクス笑う。

「なに笑ってるのよ。こっちは真剣なのに……」
「ごめんごめん。そっか、レンタルだから次に着る人いるもんね。そう考えると、あのドレスは是が非でも買い取らなきゃね」
「それはどうして?」
先程とは違う意見の紅玲に、千聖は首を傾げる。

「だって、チサちゃんの愛液がついちゃったものを、他の人が着るなんて嫌だから」
紅玲に囁くように言われ、千聖は顔を真っ赤にする。
「あー、もう! 恥ずかしいから言葉にしないでよ……」
「あっはは、可愛い反応。ま、どうにかして買い取っておくから、チサちゃんは心配しなくていいよ」
紅玲はなだめるように、千聖の髪を撫でる。

「えぇ、お願いね……。そろそろ帰りましょうよ。おうちが恋しいわ」
「ふふっ、そうだね。帰ろっか」
紅玲は千聖を抱き上げると、浴室から出た。

ふたりはバスローブを着て互いの髪を乾かすと、普段着に着替えてホテルから出た。空は藍色と茜色のグラデーションで染まっている。
「夕飯食べてから帰ろっか」
「えぇ、そうね」
紅玲は千聖の手を引いて歩く。
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