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続・独占欲に捕らわれて
第5章 策士愛に溺れる
「チサちゃん。あれ、なんか元気ないね?」
紅玲は心配そうに、千聖の顔を覗き込む。
「……さっきは嫌だったんじゃない? その、ヨシさんと遭遇しちゃったの……」
「なんだ、そんなこと」
紅玲はクスクス笑う。
「そんなことって……」
「あの人と会ったのは偶然で、チサちゃんに落ち度があるわけじゃないでしょ。少し嫉妬はしたけどね。チサちゃんが信頼してた人なんだって」
「え?」
思ってもみなかった嫉妬に、千聖はまじまじと紅玲を見つめる。
「あの人がオレのこと知ってたってことは、チサちゃんが信頼してたからだと思ってるんだよね。違う?」
「そうだけど……どうしてそう思うの?」
「だってチサちゃん、気心知れた人にしか愚痴らないでしょ?」
「本当に、私のことよく分かってるわね。今言われて気づいたわ」
自分でも知らなかった自分を見つけてもらい、千聖は嬉しくなって笑った。
「チサちゃんだけを見てるからね、これくらい当然だよ。さっきも言ったように嫉妬はしたけど、これから先チサちゃんはずっとオレのなんだから、変な気起こしたりしないし、なによりチサちゃんのことを信じてるから、思い悩むことなんてないんだよ」
「紅玲……。ありがとう」
千聖は紅玲の肩に寄りかかる。
「どういたしまして。そうそう、ドレスもタキシードも、買い取ることになったよ。ドレスはオレが間違えて踏んで破れて、タキシードには蝋燭を持ったチサちゃんが手を滑らせて、蝋がベッタリついた上に焦げたことにした」
「それは悲惨な結婚式だったわね」
もしそうなっていたらと考えて、おかしくなってふたりで笑う。
風呂が沸いた音がする。
「一緒に入りましょうか」
「うん、そうしよっか」
ふたりはそれぞれ着替えを取りに行くと、一緒に入浴した。その後互いの髪を乾かすと、リビングで麦茶を飲みながらまったりする。
「紅玲が旅行から帰ってきてから婚約するまで、あっという間だったわね」
「ドタバタしてたから、余計そう感じるのかも」
「確かに忙しなかったわね」
千聖は麦茶をひと口飲むと、紅玲に寄りかかる。
紅玲は心配そうに、千聖の顔を覗き込む。
「……さっきは嫌だったんじゃない? その、ヨシさんと遭遇しちゃったの……」
「なんだ、そんなこと」
紅玲はクスクス笑う。
「そんなことって……」
「あの人と会ったのは偶然で、チサちゃんに落ち度があるわけじゃないでしょ。少し嫉妬はしたけどね。チサちゃんが信頼してた人なんだって」
「え?」
思ってもみなかった嫉妬に、千聖はまじまじと紅玲を見つめる。
「あの人がオレのこと知ってたってことは、チサちゃんが信頼してたからだと思ってるんだよね。違う?」
「そうだけど……どうしてそう思うの?」
「だってチサちゃん、気心知れた人にしか愚痴らないでしょ?」
「本当に、私のことよく分かってるわね。今言われて気づいたわ」
自分でも知らなかった自分を見つけてもらい、千聖は嬉しくなって笑った。
「チサちゃんだけを見てるからね、これくらい当然だよ。さっきも言ったように嫉妬はしたけど、これから先チサちゃんはずっとオレのなんだから、変な気起こしたりしないし、なによりチサちゃんのことを信じてるから、思い悩むことなんてないんだよ」
「紅玲……。ありがとう」
千聖は紅玲の肩に寄りかかる。
「どういたしまして。そうそう、ドレスもタキシードも、買い取ることになったよ。ドレスはオレが間違えて踏んで破れて、タキシードには蝋燭を持ったチサちゃんが手を滑らせて、蝋がベッタリついた上に焦げたことにした」
「それは悲惨な結婚式だったわね」
もしそうなっていたらと考えて、おかしくなってふたりで笑う。
風呂が沸いた音がする。
「一緒に入りましょうか」
「うん、そうしよっか」
ふたりはそれぞれ着替えを取りに行くと、一緒に入浴した。その後互いの髪を乾かすと、リビングで麦茶を飲みながらまったりする。
「紅玲が旅行から帰ってきてから婚約するまで、あっという間だったわね」
「ドタバタしてたから、余計そう感じるのかも」
「確かに忙しなかったわね」
千聖は麦茶をひと口飲むと、紅玲に寄りかかる。