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続・独占欲に捕らわれて
第5章 策士愛に溺れる
(あのこと、どう聞いたらいいのかしら?)
千聖は籍を入れる前にどうしても紅玲に聞いておきたいことがあるのだが、なかなか切り出せないでいる。
「あぁ、そうだ。オレの書斎だけど、自由に出入りしていいよ」
「嬉しいけど、どうして?」
「1度入られたからね。それにチサちゃんの顔見れないの、やっぱり寂しいし」
紅玲は千聖を抱きしめながら言う。

「あら、私の写真あんなに貼ってあっても寂しいの?」
「写真のチサちゃんは喋ってくれないからね」
嫌味ったらしく言う千聖に、紅玲は冗談めかして言葉を返す。
「書斎で思い出したけど、机の上にアダルトグッズのカタログがあったじゃない? 一通り見させてもらったんだけど、拘束具のページは結構読んでるし商品も購入してるけど、ローターとかその類のページはほとんど見てないわよね? そういうのも使われたことないし……」
紅玲は思い出したように、あぁと声を漏らす。

「チサちゃんを気持ちよくするのは、オレだけでいいからね。拘束具は独占欲の表れ兼雰囲気作りだよ。まぁ仕事でそういうの書く機会があったり、チサちゃんが望んだりした場合は考えとくけど」
「少なくとも、私から望むことはないわ」
千聖は苦笑しながら答える。
「じゃあそういう仕事が来た時かな」
「そういうことになるわね」
千聖は短く返すと、紅玲の胸に顔を埋める。

(今日聞こうって決めたのに、どう切り出していいのか分からない……)
無理な話だと分かっていながらも、千聖は紅玲の手を握り、伝われと念じる。
「今日は随分甘えてくるね。どうかした?」
紅玲は猫なで声で聞きながら、千聖の髪を撫でる。

(話すなら、今よね……?)
千聖は小さく息を吐くと、紅玲をまっすぐ見上げた。
「紅玲はその……、私との子供は欲しくないの……?」
「どうしてそう思うの?」
紅玲は不思議そうに首を傾げる。

「だって紅玲が帰ってきてすぐにセックスした時、余裕がなくて中出ししちゃったけど、すぐ掻き出したでしょ? 赤ちゃんできると大変だからって」
「あの時はまだ、婚約してなかったからねぇ。もちろん結婚するつもりではいたけど、デキ婚みたいになるのは嫌だったんだ。不安にさせちゃってごめんね」
紅玲は申し訳なさそうに言うと、千聖の頬にキスを落とす。
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