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夜明けまでのセレナーデ
第5章 裏窓〜禁じられた恋の唄〜
…結局、裏扉が叩かれることはなかった。

辺りが夜の帳を纏う頃、不規則暗号のノックがなされ、紳一郎が食事を運んで来た時、瑞葉は全身の力が抜けるほどに安堵した。

「遅くなって申し訳ありません。
寄宿舎で一人具合が悪くなった生徒がいて、校医を呼んでいたのでばたばたしてしまいました。
瑞葉さん、お腹が空かれたでしょう?」
几帳面に謝る様はいつもの紳一郎だ。
特に変わった様子もない。

瑞葉は首を振り、おずおずと尋ねる。
「…あの…他には変わったことはありませんでしたか?
…その…誰かが訪ねていらしたとか…」
瑞葉の問いに、紳一郎はすんなりと否定した。
「いいえ、特に何も…」
…そうして、温かみのある微笑みを浮かべ
「八雲さんが見えなくてお寂しいかもしれませんが、もう少しのご辛抱ですよ。
明日には薫が戻りますし、カイザーもまたお邪魔するでしょう。
…さあ、お食事です。
今日は瑞葉さんのお好きなマッシュルームのスープと、焼き林檎がありますよ。
たくさん召し上がってください」
…と、さり気なく朗らかに瑞葉の気持ちを浮き立たせるように言ったのだった。
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