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夜明けまでのセレナーデ
第5章 裏窓〜禁じられた恋の唄〜
「大人ばかりで退屈していた和葉くんは、私を屋敷の中の探検遊びに誘いました。
…私もまだ十五、六の悪戯盛りです。
堅苦しい社交より、探検遊びの方に魅力を感じました。
そのうち私は、和葉くんとあの広い屋敷内で鬼ごっこを始めたのです。
…篠宮伯爵邸は広大な屋敷でした。
いつしか私は別棟の敷地の方に迷い込んでしまいました。
…そこには、不思議な館がありました。
人の気配はないのに、窓から見える小さな灯りはいくつか灯り…誰かが生活している様子なのです」

速水の言葉に、瑞葉はびくりと身体を震わせる。
そんな瑞葉をじっと見つめながら、男は話を続けた。
「…私は好奇心の赴くままに、広い庭園伝いにその館へと近づきました。
…すると不意に二階のバルコニーの扉が開き、中から息が止まるほどに美しいひとりの少女が現れたのです」

夢見るようなうっとりとした表情を浮かべ、速水は小さく吐息を漏らした。
「…その夜は満月でした。
月明かりに輝く蜂蜜色の金の髪…雪よりも白く清らかな肌…そしてエメラルド色に煌めく翠の瞳…薔薇色の唇…。
少女は白いレースの裾の長いドレスを身に纏っていました。
それはさながら西洋のお伽話の姫君のようでした…。
…私は夢を見ているのではないかと思いました。
この世に、こんなにも美しい宝石のような少女がいるのかと…我が眼を疑いました」

…男の熱い熱を帯びた眼差しが、ゆっくりと瑞葉に向けられた。

「…それが、貴方でした」
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