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夜明けまでのセレナーデ
第5章 裏窓〜禁じられた恋の唄〜
「…瑞葉…」
寝台に俯せに横たわる瑞葉に、八雲が手を伸ばす。
…透き通るように白く儚げな裸体…
その肌には、紅梅のように鮮やかな朱の噛み跡が点々と残されていた。
…白く肉付きの薄い双丘には、男が何度も放った欲望の白い牡液が、淫らに滴り落ちる。

…快楽の沼の淵から、瑞葉はまだ戻っては来ていない。

「…ああ…八雲…」
うわ言のように、桜色の唇を震わせるだけだ。
その華奢な形の良い顎を捉え、深く長く甘い口づけを与える。

「…愛しているよ…可愛い私の瑞葉…。
お前は…私だけのものだ…。
…何処にも、行ってはならない…」

…遠くから、八雲の声が聞こえる。
ひんやりとした美しい声…変わらぬ八雲の愛おしい声だ。

…そうだ…。
何処にも行かない…。
八雲の…この男の…そばにいる…。
自分に暗示を掛けるように、呟く。

「…八雲…愛してる…」
…だから…何もかも、忘れさせて…。

瑞葉は眼を閉じたまま、男に手を伸ばす。

…その手を引き寄せられ、男の引き締まった逞しい体躯がゆっくりと重なる。

「…八雲…もっと…して…」

瑞葉は自ら、その熱く濡れた身体を、再び開いていった…。

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