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夜明けまでのセレナーデ
第6章 Le Fantôme de l'Opéra
タクシーの運転手に運賃を払い、オペラ・ガルニエ宮前で車を降りる。

…夕暮れが、迫っていた。
茜色に染まる空を背景に、静かに君臨するガルニエ宮を見上げる。
十九世紀後半、ナポレオン三世によるパリ改造都市計画により建てられた荘厳かつ、華麗な王宮のような音楽、舞踏の殿堂だ。

正面玄関は荘重で、王冠を抱いたような円形天井を頂きに、竪琴を持つアポロンが目に入る。
…まさに、お伽話の王宮のような歴史的芸術的建物だ。

…観劇の開場時間まで、まだ少しあるので、辺りの人影も疎らだ。
外国人観光客たちは、カフェか…さもなければ、そろそろホテルにチェックインする時間なので、この時間帯は奇跡的に静かにオペラ座の周りをじっくりと巡ることができるのだ。

瑞葉は、ゆっくりと大理石の石段を上がる。
石壁には、今夜の演目・オペラ座の怪人のポスターが掲げられている。

…入り口の重厚なゴシック様式の扉は、開いていた。
しかし、エントランスに人影はなくひっそりとしていた。

瑞葉は形の良い眉を上げる。
…珍しいな…。
係員もいないなんて…。

…まあ、いいだろう。
チケットは持っている。
いざとなれば見せればいいのだ。

そうして、初めてとも言える冒険心に背中を押されるかのように、瑞葉はオペラ座の入り口へと脚を踏み入れた。





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