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夜明けまでのセレナーデ
第8章 新たなる運命
「…あんなこと言って、本当に大丈夫なのか?」
就寝前の支度…子どもの頃からの習慣のブラッシングをする泉を薫は鏡越しに軽く睨んだ。
「宮様のことですか?
…旦那様の仰せですから、全力でお応えしなくてはなりません。
それに…お住まいを無くしておられるのは、大変にお気の毒ですから…」
丁寧に薫の髪を梳かしながら生真面目に答える精悍な貌を見上げる。
「…宮様は庶子でいらっしゃるとのこと。
皇后様にご遠慮されて日陰でお育ちになったのでしょう。
…その…」
やや躊躇いながら泉は続けた。
「…暁様を思い出したのです…」
薫は眼を見張った。
「暁伯父様?」
就寝前の支度…子どもの頃からの習慣のブラッシングをする泉を薫は鏡越しに軽く睨んだ。
「宮様のことですか?
…旦那様の仰せですから、全力でお応えしなくてはなりません。
それに…お住まいを無くしておられるのは、大変にお気の毒ですから…」
丁寧に薫の髪を梳かしながら生真面目に答える精悍な貌を見上げる。
「…宮様は庶子でいらっしゃるとのこと。
皇后様にご遠慮されて日陰でお育ちになったのでしょう。
…その…」
やや躊躇いながら泉は続けた。
「…暁様を思い出したのです…」
薫は眼を見張った。
「暁伯父様?」