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夜明けまでのセレナーデ
第9章 サンドリヨンとワルツを
「…相変わらず、司は綺麗だな…」
司の琥珀色の瞳の虹彩に思わず見惚れてしまう。
…俺の恋人は、こんなに綺麗なひとだったんだ…。
改めて、震えるような感動を覚える。
「…そんなこと言って…あんなに可愛い薫くんを毎日見ているのに…」
司の白い頰がうっすらと桜色に染まる。
「薫様は毎日拝見しているからな…。
それにおこがましいけれど、もう自分の家族のような気持ちだから…でも…」
司は…
「…俺の恋人だから…緊張する…久しぶりに会って…。
お前が美しすぎて…どうしたらいいか分からないくらいに…」
「…泉…」
亜麻色の艶やかな髪に指を絡め、貌を近づける。
「…待たせて、ごめん…」
飾り気のない誠実な言葉に、司の美しい貌が歪む。
「本当だよ…。戦争が終わったら、迎えに来てくれるって言ってたのに…」
「…東京は酷い有様だったんだ。
一面の焼け野原…。窃盗団や強盗…。
それだけならまだしも、若い娘が暴行されたり…悲惨な事件が日常茶飯事だった。
今もそうだ」
「僕は男だよ?そんなこと…」
泉の男らしい眉が厳しく顰められる。
「お前みたいに綺麗な男だって危険だ!
奴らは見境なしなんだからな!
…それなのに、お前はこんな東京に一人でのこのこ帰ってきて…」
長い睫毛を瞬かせ、甘えるように両手を泉の首筋に絡ませる。
「…じゃあ、泉が僕を守って…」
…一生…離れないで…
蜂蜜のように甘い囁きに、絡めとられるように唇を寄せる。
「…嫌と言っても離さないぞ…」
しっとりと濡れた琥珀色の瞳が泣き出しそうに細められた。
「…もう、絶対に離れない…」
「…司…」
…愛している…。
同時に放たれた愛の言葉は、そのまま二人の狂おしくも甘い口づけのなかに、蕩けていったのだ。
司の琥珀色の瞳の虹彩に思わず見惚れてしまう。
…俺の恋人は、こんなに綺麗なひとだったんだ…。
改めて、震えるような感動を覚える。
「…そんなこと言って…あんなに可愛い薫くんを毎日見ているのに…」
司の白い頰がうっすらと桜色に染まる。
「薫様は毎日拝見しているからな…。
それにおこがましいけれど、もう自分の家族のような気持ちだから…でも…」
司は…
「…俺の恋人だから…緊張する…久しぶりに会って…。
お前が美しすぎて…どうしたらいいか分からないくらいに…」
「…泉…」
亜麻色の艶やかな髪に指を絡め、貌を近づける。
「…待たせて、ごめん…」
飾り気のない誠実な言葉に、司の美しい貌が歪む。
「本当だよ…。戦争が終わったら、迎えに来てくれるって言ってたのに…」
「…東京は酷い有様だったんだ。
一面の焼け野原…。窃盗団や強盗…。
それだけならまだしも、若い娘が暴行されたり…悲惨な事件が日常茶飯事だった。
今もそうだ」
「僕は男だよ?そんなこと…」
泉の男らしい眉が厳しく顰められる。
「お前みたいに綺麗な男だって危険だ!
奴らは見境なしなんだからな!
…それなのに、お前はこんな東京に一人でのこのこ帰ってきて…」
長い睫毛を瞬かせ、甘えるように両手を泉の首筋に絡ませる。
「…じゃあ、泉が僕を守って…」
…一生…離れないで…
蜂蜜のように甘い囁きに、絡めとられるように唇を寄せる。
「…嫌と言っても離さないぞ…」
しっとりと濡れた琥珀色の瞳が泣き出しそうに細められた。
「…もう、絶対に離れない…」
「…司…」
…愛している…。
同時に放たれた愛の言葉は、そのまま二人の狂おしくも甘い口づけのなかに、蕩けていったのだ。