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夜明けまでのセレナーデ
第9章 サンドリヨンとワルツを
「へえ、司さんが…。
良かったじゃないか。無事に帰ってこられて」
翌日、午前の授業が終わり、昼食を摂りに南棟のダイニングに向かう最中…。
紳一郎に司が軽井沢から帰宅した経緯を、薫は簡単に話したのだ。
司に一度会ったことがある紳一郎は好意的に笑った。
「そうですね。
…泉も司さんがすごく気がかりだったみたいだし…良かったです」
…今頃、二人は幸せな再会を噛み締めているだろうなあ…。
ぼんやり思いを馳せていると…
「…今頃は、セックスしまくっているだろうなあ…。
薫、寮に帰ってきて正解だ」
京雛のようにすっきりと品の良い貌が恐ろしくはしたないことを言い出したのだ。
薫は慌てて周りを見渡した。
「紳一郎さん!なんて下品なことを言うんですか!」
「え?僕は真実を口にしただけさ。
…一年半ぶりのセックスか…。燃え上がるだろうなあ」
紳一郎は涼しい貌に薄笑いを浮かべるだけだ。
「紳一郎さん!」
その口を必死で塞ぎ睨みつける。
「ここは学校ですよ!周りは思春期の少年ばかりです。
少しは慎んで…」
噛み付いている薫の背後に、遠慮勝ちな美しい声がかけられた。
「…あの…。薫さん…?」
とっさに振り返り、飛び上がらんばかりに驚いた。
「うわあ!き、絹さん!」
…清楚な白いレースのワンピースを身に着けた絹が、ひっそりと佇んでいたのだ。
良かったじゃないか。無事に帰ってこられて」
翌日、午前の授業が終わり、昼食を摂りに南棟のダイニングに向かう最中…。
紳一郎に司が軽井沢から帰宅した経緯を、薫は簡単に話したのだ。
司に一度会ったことがある紳一郎は好意的に笑った。
「そうですね。
…泉も司さんがすごく気がかりだったみたいだし…良かったです」
…今頃、二人は幸せな再会を噛み締めているだろうなあ…。
ぼんやり思いを馳せていると…
「…今頃は、セックスしまくっているだろうなあ…。
薫、寮に帰ってきて正解だ」
京雛のようにすっきりと品の良い貌が恐ろしくはしたないことを言い出したのだ。
薫は慌てて周りを見渡した。
「紳一郎さん!なんて下品なことを言うんですか!」
「え?僕は真実を口にしただけさ。
…一年半ぶりのセックスか…。燃え上がるだろうなあ」
紳一郎は涼しい貌に薄笑いを浮かべるだけだ。
「紳一郎さん!」
その口を必死で塞ぎ睨みつける。
「ここは学校ですよ!周りは思春期の少年ばかりです。
少しは慎んで…」
噛み付いている薫の背後に、遠慮勝ちな美しい声がかけられた。
「…あの…。薫さん…?」
とっさに振り返り、飛び上がらんばかりに驚いた。
「うわあ!き、絹さん!」
…清楚な白いレースのワンピースを身に着けた絹が、ひっそりと佇んでいたのだ。