この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
夜明けまでのセレナーデ
第9章 サンドリヨンとワルツを
「き、絹さん!どうしたんですか?」
紳一郎の口から手を離し、笑顔を繕う。

「…龍ちゃんに会いにきたんです。
お昼休みなら少し話せる…て聞いて…」
おずおずと口を開いた絹は、夏の濃い日差しが差し込む回廊を背景に、まるで一枚の美しい絵画のように存在していた。
…長く美しい髪は綺麗に結い上げられ、ほっそりとした透き通るように白いうなじが眼にも眩しい。

「成田くん?
…ああ、そう…」
なんとなく面白くない思いが薫の心にもやもや立ち込める。

そんな薫の胸中を知ってか知らずか、紳一郎はにこやかな笑顔で絹に笑いかけた。
「絹さん、ご機嫌よう。
さあ、どうぞ。成田くんなら食堂の厨房ですよ。
ご案内しましょう」
絹のやや緊張した貌が、花開いたかのように綻んだ。
「ありがとうございます…!」

何か言いたげな薫に紳一郎はそっと耳打ちをした。
「…暁人を待つと決めたんだろう?
よそ見をするんじゃないよ」
「…紳一郎さん…」

…思いの外、真剣な光を宿した瞳が、そこにはあった。


/322ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ