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夜明けまでのセレナーデ
第9章 サンドリヨンとワルツを
厨の後片付けも一段落し、下女たちは休憩を取りに食堂へ行った。
「絹さんは?一緒に行こうよ」
誘われたが、
「あと少し、布巾の洗い物を済ませてから行きます」
と笑顔で返した。
一番年下の絹が最後の洗い物はするべきだと思ったし、台所仕事は好きなので苦にならないのだった。

新しい水を汲みに、厨の裏に出る。
秋風がさあっと絹のうなじを撫で上げ、思わず華奢な肩を竦めた。

井戸端に立ち、桶を手にした時…。
絹の背後から大きな黒い影が、鬱蒼と差し込んだ。

驚いて振り返ると、そこには浅葱色の法衣を身に付けたまだ若い僧侶が佇んでいた。

「…お前、新入りの下女か?名前は?」
…その細い目はぬらぬらと暗い淫欲の色に濡れ、絹ににじり寄る。
絹は身を縮めながら後退りした。

「こんな綺麗な娘が下働きでいたとはな…。
…おい、よく貌を見せろ」
傲慢に言い放ち、その手を絹の方に伸ばした。
恐怖に身を捩るのを、男の力でねじ伏せられ、無理やり顎を捕らえられる。

男の眼が輝き、舐めるように視線が這い回る。
「…ほう…!これは稀に見る上玉だ…!
さっき広間でお前を見たお上人様方も、涎を垂らさんばかりだったぞ。
さあ、もっと私に貌を見せるのだ」
そのまま貌を近づけられ、絹は初めてこの僧侶の目的を理解した。
「は、離してください…!」
必死でその手から逃れようと、僧侶の身体を押しやる。
抵抗を始めた絹に、僧侶は機嫌を損ねたように舌打ちした。
低い声に色欲を滲ませながら脅しを掛ける。
「大人しくしろ。
…大人しく言うことを聞けば、悪いようにはしない」
そのまま羽交い締めにすると、絹の口を掌で塞ぎながら、厨の裏手に力づくで引き摺り込んだ。




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