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夜明けまでのセレナーデ
第9章 サンドリヨンとワルツを
「…絹様?どうされましたか?」
絹の髪を綺麗に巻き終わった梅琳が、不思議そうにドレッサーの鏡越しに声をかけた。
「…あ…いいえ。何でもありません」
ぼんやりとしていた自分を恥じるように小さく笑い首を振る。

「絹様のお髪は本当に艶があってお綺麗ですわね。
どんな髪型もすべてお似合いになって…。
お結いするのが楽しみです」
…そういえば…
と、梅琳はとっておきの秘密を打ち明けるように身を屈めた。
「…絹様がいらしてから、薫様はよくお屋敷にお帰りになるようになられたのですよ」
「…え?」
思わぬ言葉にどきりとし、貌を上げる。
「お美しい絹様にお会いしたいからではないかしらとメイドたちが噂をしています」
無邪気に笑う梅琳に、思わず頰が熱くなる自分に狼狽する。
「…そんな…私など…薫さんにはお退屈に決まっています…」
…垢抜けなくて、教養も乏しくて…と、思いつくままに挙げて…

…なぜ私はそんなことを気にするのかしら…?
薫さんにどう思われようと、構わないはずなのに…。
だって…私には龍ちゃんがいるんだから…。

自分の不可思議な心に戸惑う。
俯いてしまった絹に、梅琳はさり気なく話題を変えた。
「そろそろお茶の時間ですね。
薫様をお呼びしてまいります。
絹様はお先に居間の方へ…」

…すると、考えるより先に絹は口を開いていた。

「私がお呼びしてまいります。
…薫さんに…少しお話がありますし…」
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