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夜明けまでのセレナーデ
第9章 サンドリヨンとワルツを

龍介を見上げる絹の黒眼勝ちの美しい瞳が、みるみるうちにしっとりと潤む。
「…ええ、なるわ。龍ちゃん」
あまりにあっさり承諾されたので
「…そうか…やっぱりだめか…」
と、早合点しがっくりと肩を落とし…しかし直ぐにその間違いに気づく。
「え⁈い、い、いいのか⁈絹⁈」
慌てふためく龍介に優しく微笑みながら、その白い手を男の頰に伸ばす。
「私こそ、龍ちゃんのお嫁さんになっていいのかしら?
…私に鰻屋さんのお仕事が勤まるかしら?
…色々心配だけれど…でも、私は龍ちゃんのお嫁さんになりたいの」
…だって…
桜色に染まったうなじを伸ばし、真っ直ぐに龍介を見つめ返す。
「…私は龍ちゃんをずっと愛しているから」
美しい声が、真実の愛の言葉を愛おしむように囁いた。
「…絹…!」
感極まったように言葉を詰まらせる龍介を、傍らの薫が冷ややかに見遣る。
「こんなに美しいジュリエットがせっかくいじらしい愛を告げてくれたのに、君はそんな詰まらない反応しかできないのか?
野暮なロミオめ」
「…ええ、なるわ。龍ちゃん」
あまりにあっさり承諾されたので
「…そうか…やっぱりだめか…」
と、早合点しがっくりと肩を落とし…しかし直ぐにその間違いに気づく。
「え⁈い、い、いいのか⁈絹⁈」
慌てふためく龍介に優しく微笑みながら、その白い手を男の頰に伸ばす。
「私こそ、龍ちゃんのお嫁さんになっていいのかしら?
…私に鰻屋さんのお仕事が勤まるかしら?
…色々心配だけれど…でも、私は龍ちゃんのお嫁さんになりたいの」
…だって…
桜色に染まったうなじを伸ばし、真っ直ぐに龍介を見つめ返す。
「…私は龍ちゃんをずっと愛しているから」
美しい声が、真実の愛の言葉を愛おしむように囁いた。
「…絹…!」
感極まったように言葉を詰まらせる龍介を、傍らの薫が冷ややかに見遣る。
「こんなに美しいジュリエットがせっかくいじらしい愛を告げてくれたのに、君はそんな詰まらない反応しかできないのか?
野暮なロミオめ」

