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夜明けまでのセレナーデ
第11章 僕の運命のひと 〜人魚姫と王子のお伽話〜
隣でエスメラルダが暁人の膝に貌を埋め、しくしくと泣き始めた。
「…人魚姫…かわいそう…」
暁人が慌てて慰める。
「エスメラルダ…。大丈夫?」
「…だって…人魚姫は…王子様が好きだったのに…人魚姫が助けたのに…わかってもらえなくて…死んじゃうなんて…」
わあわあ泣き出したエスメラルダの背中を、暁人は優しく撫でる。
「泣かないで、エスメラルダ」

…ふと、暁人の胸になんとも言えない既視感がふわりと過ぎる。

…昔…こんな風に天真爛漫に泣く子を、見たことがある気がする…。

…『…暁人の馬鹿…。死んだら…死んだら許さないからな…!』

強い口調、涙を溜めた琥珀色の大きな瞳、意地っ張りな唇…、ほっそりとした顎…。

そして…
噛み付くような勝気な…それでいてどこか恥らうようなキス…。

胸に甘く狂おしい痺れが、走った。

…『…愛してる…暁人…』

一瞬、鮮明に浮かんだ…眩しい面差しに胸を突かれ、息を飲む。

…今のは…
誰なんだ…?


「…アキ…?どうしたの?」
涙に濡れた貌を上げ、エメラルドの瞳が不安そうに暁人を見つめていた。
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