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夜明けまでのセレナーデ
第11章 僕の運命のひと 〜人魚姫と王子のお伽話〜
「…あ、ああ…。エスメラルダ…。
…今…何かを思い出しそうになったんだ…」
…懐かしい…胸が痛むような懐かしい面差しだった。
透き通るような白い肌…気の強い…けれど慕わしい琥珀色の瞳…
桜色の唇…
…君は…
誰なんだ…?
「嫌だ!アキ!思い出さないで!」
エスメラルダが叫んだ。
ほっそりとした腕を暁人の首筋に絡ませて強く抱きつく。
「エスメラルダ…」
「思い出しちゃ嫌…!
アキはずっとここにいて…!私の王子様になって…!
お願いだから…!」
その悲痛な声に、胸が締め付けられる。
「…エスメラルダ…。
君は…」
「…もちろんアキはお前の婿になるさ。
エスメラルダ。決まっているだろう」
部屋の扉から低く響く優しげな声に、暁人は振り返る。
「…ビセンテ…」
…群青色の絹のガウンを、その逞しいブロンズ色の身体に、ややしどけなく纏った海賊の王が腕組みをしながら、佇んでいた。
…今…何かを思い出しそうになったんだ…」
…懐かしい…胸が痛むような懐かしい面差しだった。
透き通るような白い肌…気の強い…けれど慕わしい琥珀色の瞳…
桜色の唇…
…君は…
誰なんだ…?
「嫌だ!アキ!思い出さないで!」
エスメラルダが叫んだ。
ほっそりとした腕を暁人の首筋に絡ませて強く抱きつく。
「エスメラルダ…」
「思い出しちゃ嫌…!
アキはずっとここにいて…!私の王子様になって…!
お願いだから…!」
その悲痛な声に、胸が締め付けられる。
「…エスメラルダ…。
君は…」
「…もちろんアキはお前の婿になるさ。
エスメラルダ。決まっているだろう」
部屋の扉から低く響く優しげな声に、暁人は振り返る。
「…ビセンテ…」
…群青色の絹のガウンを、その逞しいブロンズ色の身体に、ややしどけなく纏った海賊の王が腕組みをしながら、佇んでいた。