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夜明けまでのセレナーデ
第11章 僕の運命のひと 〜人魚姫と王子のお伽話〜
「…アキ…。入っていい?」
軽やかなノックの音に続き、エスメラルダが貌を覗かせた。
「いいよ。…ああ…エスメラルダ…」
思わず声を上げた。
…エスメラルダは純白の裾の長いレースのドレスを身に纏っていた。
艶やかな黒髪はクラシカルに結いあげられ、真珠のティアラを飾っている。
滑らかな小麦色の美しい華奢なうなじが現れ、その姿は年よりはるかに大人びて見えた。
古典的なレースのドレスは、ふんわりと袖が膨らみ、細い腰には空色の柔らかなシフォンサッシュが結ばれ、長く尾を引くように垂らされていた。
…まるで蒼い海をしなやかに泳ぐ人魚姫のようだ…。
「…とても綺麗だね、エスメラルダ 」
暁人はにっこりと笑って褒め称えた。
…お伽話の愛らしい人魚姫のように…。
今日はエスメラルダの十五歳の誕生日だ。
…そして、エスメラルダと暁人の婚約の宴の夜であった…。
エスメラルダがはにかむように肩をぎゅっと窄め、暁人の胸に抱きついた。
「アキも素敵よ。
本当に、お伽話の王子様のようだわ…」
暁人の服装をうっとりと見渡す。
…白い上下の正装に、ふわりと結ばれたシルクのリボンタイ、袖口からは繊細なレース飾りが覗いている。
…『フランス船籍の船からの略奪品だ。
アンティークの高価な品だぞ。
…かつてブルボン王朝の王族が身に付けていたらしい。
お前は品のある美男子だから良く似合うな』
そう言って、ビセンテは機嫌良く笑った…。
…やがてエスメラルダが、小さな声で不安げに尋ねた。
「…ねえ、アキ。本当にいいの?
…私と、婚約して…」
軽やかなノックの音に続き、エスメラルダが貌を覗かせた。
「いいよ。…ああ…エスメラルダ…」
思わず声を上げた。
…エスメラルダは純白の裾の長いレースのドレスを身に纏っていた。
艶やかな黒髪はクラシカルに結いあげられ、真珠のティアラを飾っている。
滑らかな小麦色の美しい華奢なうなじが現れ、その姿は年よりはるかに大人びて見えた。
古典的なレースのドレスは、ふんわりと袖が膨らみ、細い腰には空色の柔らかなシフォンサッシュが結ばれ、長く尾を引くように垂らされていた。
…まるで蒼い海をしなやかに泳ぐ人魚姫のようだ…。
「…とても綺麗だね、エスメラルダ 」
暁人はにっこりと笑って褒め称えた。
…お伽話の愛らしい人魚姫のように…。
今日はエスメラルダの十五歳の誕生日だ。
…そして、エスメラルダと暁人の婚約の宴の夜であった…。
エスメラルダがはにかむように肩をぎゅっと窄め、暁人の胸に抱きついた。
「アキも素敵よ。
本当に、お伽話の王子様のようだわ…」
暁人の服装をうっとりと見渡す。
…白い上下の正装に、ふわりと結ばれたシルクのリボンタイ、袖口からは繊細なレース飾りが覗いている。
…『フランス船籍の船からの略奪品だ。
アンティークの高価な品だぞ。
…かつてブルボン王朝の王族が身に付けていたらしい。
お前は品のある美男子だから良く似合うな』
そう言って、ビセンテは機嫌良く笑った…。
…やがてエスメラルダが、小さな声で不安げに尋ねた。
「…ねえ、アキ。本当にいいの?
…私と、婚約して…」