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第2章 礼拝堂の夜想曲

鷹司紳一郎は薫より四つ歳上の学院の先輩だ。
鷹司公爵家の御曹司、容姿端麗、成績優秀、性格は穏やかで教師にも同級生、下級生にも信頼は厚く、広く人気があった。
生徒会の執行メンバーでもあり、制服のジャケットの下には選ばれし者しか身に付けることを許されない紫色のベストを綺麗に着こなしていた。
紳一郎は馬術部の副部長でもあり、縣家が会員になっている乗馬クラブでも貌を合わせることがあり、薫とは接点が多かった。

…そして、ある夏の日…紳一郎の軽井沢にて、薫は彼の驚くべき秘密を知ることとなった。

…紳一郎の秘密のみならず、その穏やかな品の良い貌に隠された美しい薔薇の棘のような悪徳と…歪な…しかし壊れやすい繊細な心と
…ある意味、様々秘密を共有する特別な関係となったのだ。