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夜明けまでのセレナーデ
第2章 礼拝堂の夜想曲
「…篠宮…伯爵…て…。
え?…篠宮家にいらっしゃるのは、海軍に入られた和葉さんだけじゃ…」
口走ってしまい慌てて口を抑える。
…信じられない。
だって…目の前のこの麗人は…どこから見ても西洋人の容姿そのもの…というか、西洋の美しい古典絵画から抜け出したようなひとではないか…。
篠宮伯爵夫妻は混じり気のない日本人だ。
夜会で何回か見かけたことがある。
…仮にこのひとが篠宮家の子息だとして、なぜそんなひとが礼拝堂の塔の上の部屋にいるのか?
まるで…隠れるようにして…。
薫は激しく混乱した。
紳一郎は咎めることなく、
「話は中でしよう。
…瑞葉さん、入りますよ」
瑞葉に告げた。
「…はい。どうぞ、紳一郎さん」
玉を転がすような美しい声がその形の良い唇から溢れた。
え?…篠宮家にいらっしゃるのは、海軍に入られた和葉さんだけじゃ…」
口走ってしまい慌てて口を抑える。
…信じられない。
だって…目の前のこの麗人は…どこから見ても西洋人の容姿そのもの…というか、西洋の美しい古典絵画から抜け出したようなひとではないか…。
篠宮伯爵夫妻は混じり気のない日本人だ。
夜会で何回か見かけたことがある。
…仮にこのひとが篠宮家の子息だとして、なぜそんなひとが礼拝堂の塔の上の部屋にいるのか?
まるで…隠れるようにして…。
薫は激しく混乱した。
紳一郎は咎めることなく、
「話は中でしよう。
…瑞葉さん、入りますよ」
瑞葉に告げた。
「…はい。どうぞ、紳一郎さん」
玉を転がすような美しい声がその形の良い唇から溢れた。