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夜明けまでのセレナーデ
第2章 礼拝堂の夜想曲
「そんな…実の親子で…?」
思わずおし黙る薫を、瑞葉は哀しげに見遣る。
「…ええ…。鬼畜にも劣る行為です。
父親と…関係を持つなんて…。
けれど、愛しているのです。誰よりも…!」
…瑞葉は自分の華奢な身体を抱きしめた。
「…八雲は…僕が自分の子どもであろうとなかろうと愛していると言ってくれました…。
僕が生まれた時から唯一無二の愛と忠誠を誓ったと告白してくれたのです。
そんな人間がほかにいるでしょうか?
僕は生まれた瞬間から篠宮家の厄介者でした。
父にも母にも…祖母にも似ていない…恐らくは母の不貞の結果の子ども…。
忌むべき人間であり、禁忌の存在でした。
誰も僕を愛してはくれなかった…。
誰一人として…。
…ただ、八雲だけが…僕を…このままの僕を愛してくれたのです。
だから僕は…彼と愛し合うことは怖くはなかった…。
一番の恐怖は、彼を喪うことだったから…」
エメラルドの美しい瞳に強い光が宿り始めた。
「…僕を軽蔑してくださっても構いません。
けれど、僕と八雲のような…歪な愛もあることを…少しでも分かっていただけたら…。
そう思って真実をお話したのです」
瑞葉は薫を見上げて、寂しげに微笑んだ。
「…薫さんは、僕にとっては光の世界の住人です。
ご両親に愛され、周りの人たちに愛され、屈託無く明るく…自由で…。
僕には、貴方が眩しすぎてそして…羨ましい…」
思わずおし黙る薫を、瑞葉は哀しげに見遣る。
「…ええ…。鬼畜にも劣る行為です。
父親と…関係を持つなんて…。
けれど、愛しているのです。誰よりも…!」
…瑞葉は自分の華奢な身体を抱きしめた。
「…八雲は…僕が自分の子どもであろうとなかろうと愛していると言ってくれました…。
僕が生まれた時から唯一無二の愛と忠誠を誓ったと告白してくれたのです。
そんな人間がほかにいるでしょうか?
僕は生まれた瞬間から篠宮家の厄介者でした。
父にも母にも…祖母にも似ていない…恐らくは母の不貞の結果の子ども…。
忌むべき人間であり、禁忌の存在でした。
誰も僕を愛してはくれなかった…。
誰一人として…。
…ただ、八雲だけが…僕を…このままの僕を愛してくれたのです。
だから僕は…彼と愛し合うことは怖くはなかった…。
一番の恐怖は、彼を喪うことだったから…」
エメラルドの美しい瞳に強い光が宿り始めた。
「…僕を軽蔑してくださっても構いません。
けれど、僕と八雲のような…歪な愛もあることを…少しでも分かっていただけたら…。
そう思って真実をお話したのです」
瑞葉は薫を見上げて、寂しげに微笑んだ。
「…薫さんは、僕にとっては光の世界の住人です。
ご両親に愛され、周りの人たちに愛され、屈託無く明るく…自由で…。
僕には、貴方が眩しすぎてそして…羨ましい…」