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夜明けまでのセレナーデ
第3章 Tango Noir 〜禁じられたお伽話〜
「…ああ…んっ…は…あ…」
「…そうだ…きみはキスが上手いね…。
もっと唇を開けて…そう…いい子だ…」
青山のしっとりとした低音の艶めいた声に誘われるように、素直に唇を綻ばせてしまう…。
口内を思う様に蹂躙され…十市との性交後すぐの身体は内側から徐々に淫らな熱を持ち、疼きだす。
「…ああ…やめ…て…」
ブランケットの下の身体のあからさまな変化を気取られたくなくて、紳一郎は青山のキスから逃れようといやいやをする。
…不意に背後にいる十市が、紳一郎を強く抱き竦めた。
「十市…?」
「…坊ちゃん…。青山様と…愛し合ってくれ…」
振り絞るような囁き声だ。
信じられない言葉を聞き、紳一郎は激しく首を振った。
「…いや…だ…」
「愛し合ってくれ…。
本当に、あんたを任せられる相手なのか…俺がこの眼で見極めたい」
「…何…言って…。
十市…正気なの?」
涙を浮かべた紳一郎をアレキサンドライトに輝く瞳が切なげに見下ろす。
強く強く紳一郎を抱きしめ、白くほっそりとした首すじに貌を埋める。
「正気だ。
…もし、青山様があんたを乱暴に扱ったり粗略に扱ったりしたら、俺は絶対に許さない。
だから、頼む。
青山様が、あんたに相応しい相手なのか…俺がこの眼で確かめたいんだ」
「…十市…おまえ…」
十市の常軌を逸した…けれど、紳一郎への熱く深い愛が胸に切なく響く。
「…紳一郎くん。十市くんはきみをそれほどに深く愛しているのだよ。
私はその愛に心から敬意を表する。
…決してきみを傷つけたりしない。
きみを誰よりも大切に愛する。約束する。
…だから、私の愛を受け入れてくれ…」
青山の大きな温かな手が、紳一郎の滑らかな白い頬をそっと包み込んだ。
「…青山さ…ん…」
複雑に揺れる心を表すかのように、涙がとめどなく溢れて落ちる。
「…泣かないで…私を受け入れてくれ…。
私に、きみを愛させてくれ。
…そうして、十市くんを安心させてあげよう。
何の懸念もなく出征できるように…」
…優しい声は、真摯で混じり気のない誠実なものだ。
そこに嘘偽りは、感じられなかった。
紳一郎は、もうこの哀しいまでに歪んだ愛と現実を理解することを放棄し、諦めたようにそっと瞼を閉じた…。
「…そうだ…きみはキスが上手いね…。
もっと唇を開けて…そう…いい子だ…」
青山のしっとりとした低音の艶めいた声に誘われるように、素直に唇を綻ばせてしまう…。
口内を思う様に蹂躙され…十市との性交後すぐの身体は内側から徐々に淫らな熱を持ち、疼きだす。
「…ああ…やめ…て…」
ブランケットの下の身体のあからさまな変化を気取られたくなくて、紳一郎は青山のキスから逃れようといやいやをする。
…不意に背後にいる十市が、紳一郎を強く抱き竦めた。
「十市…?」
「…坊ちゃん…。青山様と…愛し合ってくれ…」
振り絞るような囁き声だ。
信じられない言葉を聞き、紳一郎は激しく首を振った。
「…いや…だ…」
「愛し合ってくれ…。
本当に、あんたを任せられる相手なのか…俺がこの眼で見極めたい」
「…何…言って…。
十市…正気なの?」
涙を浮かべた紳一郎をアレキサンドライトに輝く瞳が切なげに見下ろす。
強く強く紳一郎を抱きしめ、白くほっそりとした首すじに貌を埋める。
「正気だ。
…もし、青山様があんたを乱暴に扱ったり粗略に扱ったりしたら、俺は絶対に許さない。
だから、頼む。
青山様が、あんたに相応しい相手なのか…俺がこの眼で確かめたいんだ」
「…十市…おまえ…」
十市の常軌を逸した…けれど、紳一郎への熱く深い愛が胸に切なく響く。
「…紳一郎くん。十市くんはきみをそれほどに深く愛しているのだよ。
私はその愛に心から敬意を表する。
…決してきみを傷つけたりしない。
きみを誰よりも大切に愛する。約束する。
…だから、私の愛を受け入れてくれ…」
青山の大きな温かな手が、紳一郎の滑らかな白い頬をそっと包み込んだ。
「…青山さ…ん…」
複雑に揺れる心を表すかのように、涙がとめどなく溢れて落ちる。
「…泣かないで…私を受け入れてくれ…。
私に、きみを愛させてくれ。
…そうして、十市くんを安心させてあげよう。
何の懸念もなく出征できるように…」
…優しい声は、真摯で混じり気のない誠実なものだ。
そこに嘘偽りは、感じられなかった。
紳一郎は、もうこの哀しいまでに歪んだ愛と現実を理解することを放棄し、諦めたようにそっと瞼を閉じた…。