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第2章 距離感

その夜、
唯と彼の遥斗の仲はうまくいっているのでデートのコツを綾香は聞いてみた。

『例えば今日はあたし優先、明日は遥斗優先って感じでデートプランを決めちゃうの。
買い物もつき合ってあげるのがお互いの趣味や好みが知れるチャンスだと思うわ』

『遥斗くん優しそうだから唯幸せそう…』

『じゃあ他の男子と会ってみる？』

『うん』

―――何故うんと言ったのか綾香は深くは考えていなかった。

【他の男子と会ってみる？】という機会は数日後に決まり遥斗と唯が見守る中で綾香は他校の生徒と顔をあわせていた。

趣味・好きな漫画・好きなアイドル・はまっているゲーム等を聞かれ綾香と話が合わない事に他校の生徒は次第に退屈そうにスマホを取り出した。

『遥斗の彼女の友達だからってことで来たけど話が合わないから悪いけど帰るわ』

『……………』

あたしは何故来たの？
少し前につまんないと言ってた男子を思い出してしまう…

『綾香ごめん…』
『綾香ちゃんごめん…俺………』

『唯、遥斗くん、いいよ。うん、ごめんね、謝らないで』

勉強と本の虫のあたしの視野が狭かったのかな…
だからつまんないって言われちゃうのよ…

『慎吾ちゃんなら好みも知ってる、スポーツばかりで不満だとかあたしが我慢しなくちゃね。
唯、遥斗くんありがとう』
あたしは店を後にした。

慎吾ちゃんなら好みも知ってる――…

あたしが慎吾ちゃんの彼女なんだもの――…
少しくらいデートに不満だとか我慢しなくちゃだよ――…