パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第2章 距離感

真面目・優等生と言われればお調子者で人気者キャラであれば「勉強出来そうに見えた？」とメガネを直すふりをしながら腰に手を当て体をくねくねさせる程に喜ぶであろう。

だが綾香はお調子者や人気者ではなく周りに馴染めない真面目な優等生である。
休憩時間にも予習復習し、その雰囲気がクラスから綾香が孤立してしまうような感じを作り出すのだろう。
綾香だって友達がたくさん欲しい、遊びたい。
そんな気持ちはあるのだが何を話し何をしたら相手が喜ぶかを知らないでいた。
幼馴染みである慎吾とは隣同士で幼稚園から家族ぐるみでの長いつき合いの為、中山家や慎吾に対し普通に話す事が出来きため口も言えるのであった。

そんな気を使わず喋れる慎吾からも“綾香は真面目だから面倒だ”みたいなニュアンスで真面目だと言われるとかなりなショックであっただろう。

気のしれた中山家の楓から言われる【綾香ちゃんは良い子】だと言われるのは素直に聞けても、
同年代に「優等生ぶって」と言われるのはかなりへこむのだ。

綾香は佐伯とは２度目でほぼ初対面に等しく「優等生ぶって」と罵られると腹立たしくもありクラスに馴染めない真面目な人だと思われたのかとショックを受けていた。

…
……
『綾香…――綾香、ねぇ？……お〜い、綾香ってば』
美術部の部活が終わり壁にもたれて考え事をしていた綾香は自分を呼ぶ声にハッとして顔をあげる。

『唯…部活は？』

『雨が降ってるから外のコート使えないでしょ、体育館周りを走ってたの。
元気なさそうにみえたからスッタバでも行こうよ』
走ってた、というとうりユニフォームではなく学校指定の青いジャージだ。

『待ってて、着替えてくる』

『唯…――』

明るく面倒見の良い姉御はだ的な唯に綾香はいつも救われている。

同年代で唯からは普通に接してくれて彼女みたいになりたいと憧れでもあった。
だからこそ泣きそうになるのだ。

唯ありがとう…
親友でいてくれて感謝してる…