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《リベンジ☆ラブ…恋になるまで…》
第2章 距離感
…※…※…※…
部活終わりに綾香が慎吾を待って一緒に帰り、日曜日は長い時間座っている事が苦手な慎吾の為に映画等は慎吾が観たい作品がある時に限られた。
綾香が観たい作品があれば唯を誘うので慎吾とのデートへの綾香の不満はなくなった。
デートといっても体育館で慎吾のバレーボールの練習を見ているだけで、綾香は本を持参し読んでいる。
公園では慎吾が1人でやれるストレッチや縄跳び・バレーボールのトスの練習を綾香は眺めていた。
バレーボールのトスというのは相手チームのサーブを受け→上がったボールをアタッカーが相手チームへ打つ為のボールをふわりとあげる役割なのだ。
慎吾と綾香は2人でいても別々の事をしているのだからデートといえるのかは定かではないが、
汗をかく慎吾へ綾香はタオルを渡すのだ。
手が触れる。
時には自販機でスポーツドリンクを買ってタイミングを見て渡す綾香。
手が触れる。
『気が利くな』
『小さい時から長いつき合いだもん』
手が触れてもベンチに隣り合わせで座ってもときめかない………。
「気が利くな」
「小さい時から長いつき合いだもん」
等という会話はまるで長年の夫婦みたいな挨拶みたいな日常会話だ。
時にはお互いの家で昼ご飯にカレーを食べ服についた慎吾の服を脱ぐようせかすのだ。
『もー、カレーって染みになるから脱いで。洗濯するから』
『母さんみたいな事言うな』
小さな時から食べ物をこぼす慎吾が楓に服を脱ぐようせかされていた為に綾香には見慣れた光景なのだ。
もちろん洗濯機を借りる事はせずもみ洗いでつけおきするらしい。
色気などないのだ。
幼馴染みだからか手が触れようが服を脱ぐのを見てもときめかない綾香と慎吾――そんなつき合いだった。